【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・9/4 小倉2歳S(GIII・小倉・芝1200m)
 スタートで出遅れて最後方に置かれたロンドンプランが、直線で大外から突き抜けて夏の小倉2歳王者の座につきました。前半3ハロンが33秒2と、当レースの平均的なラップよりも速いペースで展開したとはいえ、他馬とはまったく違う脚で突き抜けたレースぶりはケタ違いでした。

 父グレーターロンドンは中京記念をレコード勝ちしたマイラー。その父は大種牡馬ディープインパクト、母は桜花賞2着馬ロンドンブリッジという良血馬です。現2歳の初年度産駒は血統登録頭数が44頭。JRAでは5頭出走し、2頭が勝ち上がっています。生産した下河辺牧場は、息子ロンドンプランの生産牧場でもあります。

 自家生産馬である父をバックアップするために、同牧場は良質な繁殖牝馬を割り当てており、母パッションローズは現役時代に芝短距離で4勝を挙げた活躍馬でした。母がスプリンターだったので、距離はマイルぐらいまでかもしれませんが、先々が楽しみな逸材です。

◆今週の血統Tips

 現地時間9月3日、米デルマー競馬場で行われたパシフィッククラシックS(G1・ダート10ハロン)は、断然の1番人気フライトライン(Flightline)が後続を大きくちぎり、19・1/4馬身差で圧勝しました。これまでのレースぶりから大器であることは誰もが認識していたと思いますが、ここまで凄いのか──というのがアメリカの競馬ファンの率直な感想だと思います。

 通算成績は5戦全勝。1走あたりの平均着差は約12馬身半。今回は2ハロンの距離延長で、デビュー以来初めての10ハロン戦でしたが、着差が縮まるどころか大きく開きました。勝ちタイム1分59秒28は、2003年にキャンディライド(ガンランナーの父)が記録した1分59秒11のレースレコードに0秒17と迫るものでしたが、ラスト100mは流していたので、まともに追っていれば更新していた可能性が高いでしょう。

 父タピットは2014年から3年連続で米リーディングサイアーとなった名種牡馬。ここ最近はイントゥミスチーフなどの後輩種牡馬に抜かれ、影が薄くなっていたのですが、種牡馬生活の終盤になって特大の一発を送り出しました。いずれフライトラインが種牡馬として成功すれば、息切れ気味だったエーピーインディ系がアメリカ生産界の中心に返り咲くかもしれません。

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