【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆その先を考える意味の方が大きい

 いよいよ秋のGIシリーズが近づいてきたという実感が湧いてきた。その前哨戦、三重賞には、様々な思惑を抱いて有力馬たちが出走している。そのひとつセントウルSは、サマースプリントシリーズの最終戦でもあるが、一方でスプリンターズSへのワンステップという捉え方で、その先を考える意味の方が大きい。3年連続して中京開催だが、この2年の1〜3着馬を見ると、大半が左回りの重賞での成績がいい。その点から目が向くのが、4歳牝馬同世代の2頭だ。

 安田記念を勝ったソングラインは初のスプリント戦でも、3走前にサウジアラビアの1351米のターフスプリントを勝っており、そのスピードは距離が短縮されても生かされるだろう。中団から残り100米で前をとらえたレースぶりなら、中京の長い直線で安定感を増す。11月のブリーダーズCマイル遠征を控えての一戦なので、2戦2勝のルメール騎手ともども、盤石の強さを見せてほしい。

 このソングラインに安田記念で乗っていた池添騎手が手綱を取るのが、京王杯スプリングCを勝って今度重賞6勝目をめざす、同じ4歳牝馬メイケイエールだ。

 前走の京王杯では1400米で勝っているが、これは5戦ぶりに1200米より長い距離を走ってのもので、全6勝のうち3勝をしているスプリント戦で威力を増すと考えたい。

 これまで昨年のスプリンターズSが4着、今年の高松宮記念が5着とあと一歩及ばなかったが、ここをステップに悲願のGIタイトルをと秋にのぞんでいる。

 この2頭ともキャリアは11戦、ひと息入れての秋競馬で、身心の成長が加わっているという期待がある。

 ここで真価が問われる馬たちの中では、前走の北九州記念で16番人気をくつがえして勝った5歳牝馬のボンボヤージに注目したい。

 3着以内に入れば、サマースプリントシリーズのチャンピオンになれる。ただ、前走がハンデ戦で51キロだった点と、小倉から中京へとコースが変わり、直線の坂をどう乗り切るかという課題があり、このスプリント戦線に登場した新星の今後を見守りたい。

 そして、ダディーズビビッドは、これよりさらに重賞の壁は厚く、リステッド競走やオープン特別で2着と連続して好走してきたこの4歳牡馬の成長力ある血統に期待してみたい。

 波乱含みのハンデ戦、京成杯オータムHは4年前までは上がり最速馬の好走が圧倒的だったが、ここ3年は先行馬の成績が上がっている。加えて、夏を戦った組が優勢という傾向もまじえ、堅実なファルコニアを中心に考えたい。

 マイルはプラスになる。同じ舞台のターコイズSを勝っているミスニューヨークは、特に中山の実績が目立っている。切れ味勝負で逆転の可能性まで考えておきたい。惜敗の続くダーリントンホールは重賞実績があるし、ルフトシュトロームも中山実績からからガラリ一変を考えておきたい。

「スプリント 適性ありの お墨付き」

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