【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆最後の一冠へ勢いをつけたい実績馬と上がり馬

 秋のタイトルを目標にひと夏を越した3歳馬たちの戦いが、大詰めを迎えようとしている。

 夏を充電期間に充てた実績馬たち、レースに出て地力の強化に励んだものたちが、腕だめしを行なうトライアルをどう評価するか。3歳世代の勢力図に変化が見られるときだけに、今後を含めてしっかり検証していきたい。

 この中で秋華賞は、春、桜花賞とオークスを制したスターズオンアースの史上7頭目の牝馬三冠成るかが最大のポイントになる。ただ、両前脚の第一指骨ハク離骨折があっただけに、どう立ち直っているか。春のレースからはその牙城を崩すのはかなり困難と見て取れたので、そこが最大の関心事になる。

 秋華賞トライアルのローズSは、今年は重賞の勝ち馬が不在で、かなりの混戦が予想されるが、今年も中京2000米で行なわれるので、同じケースのこの2年を参考にしたい。発走地点が上り坂の途中なのでペースが上がりにくいこと、これははっきりしている。

 昨年は前半1000米が61秒2で勝ちタイムが2分00秒0、一昨年は60秒9で1分59秒9といずれもスローペース。後半の持久力がもとめられ、勝ち馬の上がり3ハロンは速くなっている。

 昨年逃げたエイシンヒテンは4馬身ほどリードし、この前半の貯金が生きて2着に粘り、勝ったアンドヴァラナウトは、6番手で脚をため上がり3ハロンが最速の33秒8をマークしていた。キャリアが5戦で前走の新潟2000米で2勝目を挙げたばかりだったが、本番の秋華賞でもこの勢いにのり3着に入っていた。

 夏に条件戦を走っていた上がり馬と春のクラシック組との対決、今年もこの図式を頭に入れて考えてみたい。

 忘れな草賞(3戦目)を3馬身差で圧勝しオークスは7着だったアートハウスは、好位で立ち回れて瞬発力が武器になるので、キャリア4戦、まだまだ伸びシロが十分にあると期待したい。ここも本番も2000米だけに、この馬の実績は心強い。追うごとに動きが良くなり、いよいよ実りの秋を迎えることになるのか。

 春を大舞台で戦ったものは少ないが、パーソナルハイは、桜花賞が0秒2差の6着とフローラSの2着を評価したい。4か月ぶりでディープインパクト産駒、成長の余地は十分にある。

 あとは上がり馬から見つけていきたい。気のいいタイプのメモリーレゾンを。1200米から距離を延ばしながら3勝してきたが、エンジンがかかってから長くいい脚を使えるので、中京の広いコースに合っている。前走の函館1800米では、最速の上がりで豪快に差し切っていた。

 魅力のある馬は多く、5戦目で激変して3番手につけ粘り強く勝ってから、すっかり安定して走っているエグランタイン、2000米を走り出して1、1、2着のセントカメリア、そして、良血でキャリア2戦2勝のサリエラなど権利獲り候補は目白押しだ。

「混戦を 利してここで 名乗り上げ」

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