【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・11/13 エリザベス女王杯(GI・阪神・芝2200m)
 中団の外を追走したジェラルディーナが大外から豪快に突き抜けました。重馬場となって内ラチ沿いが荒れていたこともあり、掲示板に載った5頭はすべて二桁馬番。ジェラルディーナは大外18番枠でした。

 母ジェンティルドンナは牝馬三冠、ジャパンC連覇を含めてGIを計7勝した女傑で、繁殖牝馬としてもGI馬を出し、非凡な資質をあらためて証明しました。母は3歳時から世代トップでしたが、娘は4歳秋に本格化。これは晩成傾向を伝える父モーリスの影響でしょう。

 ピクシーナイト、ジャックドールなどの父で、3歳夏を越したあたりから本格化してくる仔が目につきます。日本だけでなく、シャトル種牡馬として供用されたオーストラリアでも、ヒトツ、マズ、キボウと3頭の重賞勝ち馬を出し、なかでもヒトツはヴィクトリアダービーなど3つのG1を制覇しました。

「モーリス×ディープインパクト」は他にルークズネスト(ファルコンS)が重賞を勝っており、連対率24.2%、1走あたりの賞金額273万円。これはモーリス産駒全体の19.2%、187万円を大きく上回っており、ニックスといえるでしょう。ちなみに、ジェラルディーナもルークズネストも、ダンジグのクロスを持つという共通点があります。

◆今週の血統Tips

 マイルチャンピオンシップは1984年にレースが創設され、今年で39回目を迎えます。この間、連覇を達成した馬が6頭いることは目を惹きます。同じ期間、安田記念を連覇した馬はわずか2頭しかいません。まぎれが少なく、実力馬が勝ちやすい舞台といえるでしょう。

 レース創設直後、84、85年に連覇したニホンピロウイナー(父スティールハート)は、軽快なスピード馬というより“高速重戦車”といった迫力を感じさせる馬でした。84年の単勝配当は120円。ニッポーテイオーが勝った87年と並び、レースにおける単勝最少配当です。

 ニホンピロウイナーはその後、種牡馬としても成功し、ヤマニンゼファーやフラワーパークといった名馬を出しています。ヤマニンゼファーは数少ない安田記念連覇馬で、天皇賞・秋も勝ちました。フラワーパークは高松宮杯(現高松宮記念)とスプリンターズSを制し、繁殖牝馬としてディープインパクトとの間にヴァンセンヌ(現種牡馬)を出しました。

 ニホンピロウイナーの血はいまもわが国のサラブレッドのなかに受け継がれています。先週の土曜日、阪神の岸和田Sを逃げ切ったニホンピロスクーロにも、ニホンピロウイナーの血が含まれています。

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