【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・11/27 ジャパンC(GI・東京・芝2400m)
 中団馬群につけたヴェラアズールが馬群を縫って進出し、ゴール直前でシャフリヤールを交わして快勝しました。今年の正月までダート路線を歩んでいた馬です。3月に芝転向後、[4-0-2-0]という成績でジャパンCを制覇しました。GI初挑戦での快挙であり、あらゆる意味で型破りな馬といえます。

 父エイシンフラッシュは日本ダービーと天皇賞・秋を制した馬で、ドイツ血統を濃厚に抱えながら、極端に上がりの速いレースになると台頭する馬でした。しかし、ほとんどの産駒には父らしさは感じられず、切れ味に欠ける馬が目につきます。オニャンコポンやココロノトウダイのように、格の高いレースで買うなら小回りコースのほうが安心……という馬がほとんどです。

 東京芝2400mでエイシンフラッシュ産駒は計3勝していますが、うち2勝はヴェラアズールが挙げたものです。コースとの相性は決して良くないのですが、ヴェラアズール自身は当コースで[2-0-1-0]と得意にしています。スタンダードなエイシンフラッシュと大きな隔たりがあることが分かります。

 母ヴェラブランカは現役時代にダートで2勝。その半兄弟にはフサイチホウオー(重賞3勝)、トールポピー(オークス、阪神JF)、アヴェンチュラ(秋華賞)がいる超良血。

「エイシンフラッシュ×クロフネ」は9頭出走して連対を果たしたのはヴェラアズールだけですが、名繁殖牝馬アドマイヤサンデーの血がエイシンフラッシュとの組み合わせで優れた資質を引き出されたのでしょう。この牝系とキングマンボ系の組み合わせは、エルカスティージョ、ナサニエル、アドマイヤメガミなど優れた産駒が出ています。

◆今週の血統Tips

 年一回しか行われない希少なレース条件があります。今週土曜日の中山メインレース、ステイヤーズSもそうです。芝3600mは日本の平地競走のなかで最長距離。東京のダイヤモンドS(芝3400m)を上回ります。ダイヤモンドSも年一回しか行われない条件です。そもそも、芝3000m以上の平地競走は年間8レースしか行われないので、ごく稀にしか行われないレース条件ばかりです。

 1968年から1975年にかけて「日本最長距離S」という中山4000mのハンデ戦が存在しました。しかし、頭数が集まりにくく、スローペースの凡戦となることもあり、人気が盛り上がらず廃止されました。

 ステイヤーズSは1967年の創設から一貫して芝3600mで行われており、いまや暮れの風物詩ともいうべき重賞となっています。このところ活躍が目覚ましいのがオルフェーヴル産駒。

 2020年は1着オセアグレイト、2着タガノディアマンテ、2021年は2着アイアンバローズ、3着シルヴァーソニックと、2年連続で2頭ずつ馬券対象馬を出しています。今年はアイアンバローズ、シルヴァーソニック、メロディーレーンと、3頭が登録しています。

 また、オルフェーヴルと同じ「ステイゴールド×メジロマックイーン」の組み合わせで誕生したゴールドシップも、エドノフェリーチェ、プリュムドールと2頭の産駒が登録しています。いずれも長距離得意の血統だけに注目です。

【関連記事】