勝負事に勢いは欠かせない。その点でいえば、シンザン記念(3歳・GIII・中京芝1600m)はクファシル(牡3、栗東・池添学厩舎)の“1強”と言えるだろう。

 昨年の2歳G1は阪神JFがリバティアイランド(父ドゥラメンテ)、朝日杯FSがドルチェモア(父ルーラーシップ)、ホープフルSがドゥラエレーデ(父ドゥラメンテ)と、エアグルーヴの血を引く馬が完全制覇。2歳リーディングサイアーでもドゥラメンテが1位、ルーラーシップが3位と存在感を見せた。

 シンザン記念にはドゥラメンテ産駒とルーラーシップ産駒の登録がないものの、クファシルは祖母がエアグルーヴ。しかもドゥラエレーデと同じ池添学厩舎の管理馬だから、かなりの追い風が吹いている。

 昨年11月の阪神新馬戦はスローペースの逃げから上がりをまとめて着差以上の完勝。血統のイメージ通りのスケール感を見せつけた。将来性ではドゥラエレーデと甲乙つけがたい逸材。無傷の2連勝でクラシック候補に浮上したい。