偉大な祖父の無念を晴らすか。名種牡馬キングカメハメハの血を引く2頭、シャンパンカラー(牡3、美浦・田中剛厩舎)とシルバースペード(牡3、美浦・小野次郎厩舎)が、京成杯(3歳・GIII・中山芝2000m)にエントリーしてきた。

 ドゥラメンテやロードカナロアなど、幾多の名馬を送り出し、2度のリーディングサイヤーに輝いたキングカメハメハ。現役時代もダービーとNHKマイルCを制するなど、8戦7勝と素晴らしい成績を残したが、唯一敗れたのが04年の京成杯だった。新馬、エリカ賞と連勝して初の関東遠征。バルジュー騎手との初コンビで1番人気に支持されたが、直線で伸びを欠く。勝ったフォーカルポイントが0秒8差、2着のマイネルマクロスからも0秒6差を付けられて、完敗の3着だった。

 そして、不思議なことにキングカメハメハの血を引く馬も、京成杯とは相性が悪い。産駒からひ孫まで28頭が出走して[0-6-3-19]と惜敗のオンパレード。産駒は14頭が出走し、19年のランフォザローゼスなど2着が4回あるものの、未勝利。孫世代は13頭、ひ孫世代も1頭が挑んだが、悔しい結果が続いている。

 今年の2頭は“京成杯の呪縛”を一掃できるか。ドゥラメンテ産駒のシャンパンカラーは新馬、ベゴニア賞と2連勝。今回は初の2000mがポイントだが、底を見せていないのは魅力だ。一方のシルバースペードは母の父がキングカメハメハ。重賞初挑戦の東京スポーツ杯は6着だったが、着差は僅かに0秒6。当時4着のドゥラエレーデがホープフルS、7着のジョウショーホープがひいらぎ賞を制したようにハイレベル戦だったので、GIIIでくみしやすくなった今回はチャンスがあるだろう。

 合言葉は“じっちゃんの名にかけて!”。今年こそカメハメハを決めてみせる。