名牝系が高配の使者だ。今週末の2重賞は名繁殖牝馬ダイナカールの血を引く馬に要注目。根岸S(4歳上、GIII、東京ダート1400m)でアドマイヤルプス(セン6、美浦・加藤征弘厩舎)、シルクロードS(4歳上、GIII、中京芝1200m)でグルーヴィット(牡7、栗東・松永幹夫厩舎)が、それぞれ一発を狙う。
ダイナカールは83年のオークス馬にして名繁殖牝馬だ。産駒のエアグルーヴを筆頭に、その血を母系に引く活躍馬は数多く、アドマイヤグルーヴやドゥラメンテ、ルーラーシップ、オレハマッテルゼがGI制覇。昨年のチャンピオンズCを制したジュンライトボルトは玄孫(孫の孫)にあたる。また、ドゥラメンテとルーラーシップが種牡馬として大成功しているので、日本の血統地図に与えた影響は計り知れない。
アドマイヤルプスはダイナカールのひ孫。この一族には珍しく、デビューから一貫してダートを使われながら、出世の階段を上がってきた。ここ2戦は9着、7着と苦戦しているが、3走前にはアハルテケSを圧勝しているように、重賞でも通用する能力は持っているはず。これまで4戦3勝、2着1回と最も得意にする1400mに変わるのは好材料だけに、巻き返しがあっていい。
グルーヴィットはダイナカールの玄孫であり、ジュンライトボルトの半兄。長く低迷が続いていたが、弟のGI制覇に触発されたのか、前走のタンザナイトSで3年5カ月ぶりの勝利を手にした。本来の力を取り戻したとなれば、このメンバーでも差はないはず。一族に06年高松宮記念のオレハマッテルゼ以来、17年ぶり2回目となるスプリント重賞のタイトルを届けたい。