【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆先週の血統ピックアップ
・1/29 根岸S(GIII・東京・ダ1400m)
好位を追走したレモンポップが残り300mで先頭に立ち、ギルデッドミラーの追撃を半馬身抑えて初の重賞タイトルを獲得しました。通算10戦7勝、2着3回。連対パーフェクトを継続中です。
父レモンドロップキッドはアメリカのクラシックレースのひとつベルモントS(G1・ダート12ハロン)を含めてG1を5勝。名種牡馬キングカメハメハと同じくキングマンボを父に持ち、アメリカで多くの重賞勝ち馬を出しています。2代母ハーピアは大種牡馬デインヒルの全妹にあたり、こうした底力あふれる血がレモンポップの能力に影響を与えていると推察されます。
「父レモンドロップキッド、母の父ジャイアンツコーズウェイ、母方の奥にダンジグ」という配合なので、アメリカでスピンスターS(G1・ダ-ト9ハロン)を勝ったロマンティックヴィジョンと配合構成がよく似ています。血統的にスピードの持続力に強みがあるので、そうした流れになりやすい1400mでは隙がありません。
2着に敗れた昨秋の武蔵野Sは、中1週の強行軍に加え、上がりの速い競馬となり、ギルデッドミラーの決め手に屈しましたが、同じ1600mでも次走のフェブラリーSは、GIだけにゆるいペースにはなりそうもなく、この馬にとって競馬はしやすいはずです。
◆今週の血統Tips
ディープインパクト産駒はきさらぎ賞で抜群の実績を残しています。過去、5勝、2着7回、3着4回。2012、2016年には1〜3着を独占しています。きさらぎ賞は2021年から中京開催となっていますが、同年に2、3着となっており、コースが替わっても相変わらずの強さを見せています。今年はオープンファイアが登録しています。
ディープインパクト産駒のラストクロップで、わが国で血統登録しているわずか6頭の同期生のなかの1頭です。血統的に相性抜群のレースでどんな競馬をするのか注目です。
ちなみに、登録馬10頭のうち、半数の5頭はディープインパクトが父系に属しています。もしオープンファイアが結果を残せなかったとしても、ディープ系に属する他の馬が勝つかもしれません。
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