【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆先週の血統ピックアップ
・2/27 阪急杯(GIII・阪神・芝1400m)
2番手を追走したアグリが直線に入って先頭に立ち、ダディーズビビッドの追撃をクビ差しのぎました。昨年8月に1勝クラスを勝ってから4連勝で重賞タイトルを獲得しました。
父カラヴァッジオは、イギリスとアイルランドのスプリントG1を制したスピード馬。ちなみに、その半姉マイジェンは社台ファームが輸入し、プルパレイ(ファルコンS-1着)を産んでいます。アイルランドで種牡馬入りすると、オーストラリアでもシャトル供用され、2021年にはアメリカへ渡り、2023年から日本軽種馬協会静内種馬場で供用されています。種付け料は300万円と高めですが、あっという間に満口となりました。代表産駒テネブリズムはチェヴァリーパークS(英G1・芝6ハロン)、ジャンプラ賞(仏G1・芝1400m)を勝っています。
アグリの2代母トゥギャザーは、英1000ギニーと愛1000ギニー(いずれも芝8ハロンのG1)で2着となり、アメリカへ遠征してクイーンエリザベス二世チャレンジCS(米G1・芝9ハロン)を勝った名牝。牝系の質も上々です。
父の母メッコホクテと、母方のルビアーノは似たような血が集められているので、ザックリといえばメッコホクテ≒ルビアーノ2×4という関係にあります。
そして、父は現代の主流父系であるダンジグもサドラーズウェルズも持たない血統構成なので、これらを母に持つ本馬の配合構成はセオリー通りでもあります。将来種牡馬となれば楽しみです。
◆今週の血統注目馬は?
・3/4 チューリップ賞(GII・阪神・芝1600m)
阪神芝1600mと相性のいい種牡馬はエピファネイア。連対率21.8%は、2013年以降、当コースで産駒が20走以上した80頭の種牡馬のなかで第6位。当レースに産駒が登録している種牡馬のなかではナンバーワン。
当レースにはルミノメテオールが登録しています。新馬-つわぶき賞と2連勝しており、今回は200mの距離延長。血統的にはマイルもOKと思われるだけに勝機は十分あるでしょう。
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