【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆先週の血統ピックアップ
・3/4 チューリップ賞(GII・阪神・芝1600m)
ハナを切ったモズメイメイがマイペースに持ち込み、ゴール前で急追するコナコーストをハナ差抑えました。父リアルインパクトは現役時代に安田記念とオーストラリアのジョージライダーSを制覇し、社台スタリオンステーションで種牡馬入りしましたが、2020年から優駿スタリオンステーションに移動しています。
モズメイメイはラウダシオン(NHKマイルC、京王杯SC)に次いで2頭目のJRA重賞勝ち馬です。ラウダシオンもモズメイメイも、母方にアンブライドルドを持つという共通点があります。
アンブライドルドは父リアルインパクトが抱えるインリアリティとニックスの関係にあります。セオリー通りのニックス配合といえるでしょう。
母の父フランケルはスピードの持続力を伝えるので、そうした強みを活かせる逃げの手に出たのは正解でした。
◆今週の血統Tips
キタサンブラック産駒は昨年のJRA2歳戦で11勝。トップのエピファネイアが35勝を挙げているので、その3分の1程度しか勝てませんでした。出走回数を比較するとエピファネイアが236回、キタサンブラックが109回と、倍以上の開きがあります。
キタサンブラック産駒は晩成傾向があり、若駒時代は馬体にゆるさがあるため、早期からどんどんデビューするタイプではありません。初年度産駒も2歳時は13勝しかできませんでした。
しかし、3歳になってから猛然と勝ち始めるのが特長で、現3歳は1月以降に12勝と、わずか2ヵ月ちょっとの間に昨年の2歳戦を上回る勝ち星を挙げています。京成杯を2番人気のソールオリエンスが勝ち、先週のチューリップ賞ではコナコーストが6番人気ながら2着に食い込みました。
この時期の3歳馬はどんどん馬が変わっていくので、過去の対戦成績やタイム比較にとらわれるといいことはありません。3歳春のキタサンブラック産駒は積極的に狙っていきたいところです。
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