このレースから桜花賞へ向かって好走した馬もいないわけではないが、先行力、器用さを求められる中山競馬場1800mコースは、ワンターンの阪神競馬場1600mとは似ても似つかない。かといってオークスに直結するものでもなく、どちらかといえば秋以降に向けての力試し的一戦でもある。
◎パルクリチュードは紅梅S4着。小回りダート1700m戦を勝ち上がったあとのワンターン芝1400mでも馬は戸惑うことはなかったが、ゴール前で大きな不利を受けたのは痛かった。父ガンランナーは米国年度代表馬で、ブリーダーズCクラシック、そしてペガサスワールドC優勝馬。種牡馬としても次々と活躍馬を送りだし注目されている。
母はアルゼンチンの活躍牝馬で、さかのぼればチョウカイキャロルと同ファミリー。馬格のない馬だけに芝で結果を出したいところだ。
〇ゴールデンハインドは芙蓉S、そしてデイジー賞の2着馬。休み明けだった前走のマイナス体重は少々意外だったが、好位で我慢し、抜け出したところを勝ち馬に交わされてしまった。母は米国芝重賞勝ち馬で、母の父シャマーダルは全欧2歳牡馬チャンピオン。時計がかかる馬場はむしろプラスではないか。世界的な名ファミリーから生まれたゴールドシップ産駒で将来も楽しみだ。
▲マテンロウアルテは中京競馬場芝2000m未勝利戦優勝馬。阪神競馬場芝2000mのデビュー戦はスタートのタイミングがあわずに後方からの競馬になったが、インコースからポジションを上げ、最後は大外から鋭く伸びて上位2頭に0.1秒差まで迫った。
負けたのは残念だったが、勝ったイングランドアイズは次走のクイーンCで0.1秒差4着で、2着ハーパーがクイーンCに勝利するというレベルが高い1戦だった。前々走2着時の勝ち馬は、すみれSを楽勝したシャザーン。ここは連闘後の1戦となるが不安よりも期待の方が大きい。
△パルティキュリエは東京競馬場芝1600m未勝利戦優勝馬。母エクセレンスIIが仏芝1400m重賞勝ち馬で、仏オークス、仏1000ギニーはともに3着という活躍牝馬。キタサンブラックとの配合で大物感を漂わせる血統構成になっている。成長力のある血統で、本当に良くなるのはもう少し先になりそうだが、ここも無視はできない。
△エミューは、同じ舞台のデイジー賞優勝馬。中山競馬場向きの器用さを武器とする馬で、前残りの中、最後の直線は鋭く伸びた。あのような競馬ができればこのメンバーでも楽しみだ。未勝利戦の勝ち方が印象的な△ココクレーターは小回り競馬への対応がカギになりそうだが、能力はここでも通用しそうだ。前走は不利もあって人気を裏切ってしまった△ヒップホップソウルも、あの1戦だけで見切ることはできない。