【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・3/18 フラワーC(GIII・中山・芝1800m)
 出遅れて後方からの競馬となったエミューが大外一気で鮮やかに差し切りました。馬体重414kgと出走馬のなかで最も小柄ながら、不良馬場をものともしないパワーを秘めています。

 父ハービンジャーはディアドラ(秋華賞、ナッソーS)、ブラストワンピース(有馬記念)、ノームコア(ヴィクトリアマイル、香港C)、ペルシアンナイト(マイルCS)、モズカッチャン(エリザベス女王杯)などの父。今年は3歳の調子が良く、他にファントムシーフ(共同通信杯)、ワンダイレクト(弥生賞-3着)が出ています。

「ハービンジャー×スペシャルウィーク」は前述のディアドラと同じ。同馬はヨーロッパの重い芝でも活躍しました。この配合の芝コンディション別の連対率は、良=15.6%、稍重=20.4%、重=25.0%、不良=50.0%。馬場状態が悪化するにしたがって数値が上がっています。オークスが道悪になれば怖い存在です。

◆今週の血統Tips

 現役時代に安田記念など3つの重賞を制したサトノアラジン(父ディープインパクト)は、今年からブリーダーズ・スタリオン・ステーションに移動し、種付け料100万円で供用されています。社台スタリオンステーションで供用されていた時代の産駒を見ると、ウェルカムニュース(東海S-4着)が唯一のJRA重賞入着馬で、デビューした2世代の成績は、関係者の求める水準に達しなかったということでしょう。

 サトノアラジンは、日本のオフシーズンに南半球のニュージーランドへ渡り、シャトル供用しています。日本での成績とは対照的に、同地で誕生した産駒は大活躍しています。3月11日にトウキョウタイクーンがシステマS(GI・芝1200m)を、3月18日にペニーウェカがニュージーランドオークス(GI・芝2400m)を制覇し、他に2頭の重賞勝ち馬が出ています。立派な成績です。

 日曜日に中京競馬場で行われる高松宮記念には、産駒のレディバランタインが登録しています。まだ3勝クラスを勝ったばかりですが、マカオンドール(京都新聞杯-3着)の半妹で、母ミリオンウィッシーズは本邦輸入種牡馬バゴの半妹にあたる良血。出走してくるようなら大穴候補として侮れません。

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