産駒がGIを制するのは時間の問題だろう。これまでにデビューした2世代から活躍馬が続出しているシルバーステートだ。初年度産駒のウォーターナビレラがファンタジーS、セイウンハーデスがプリンシパルSを制し、クラシックに参戦。2年目の産駒も続々と重賞&オープンで活躍し、皐月賞には3頭出しを果たした。今春に誕生する当歳馬からは繁殖牝馬の質も上がっているので、キタサンブラックとともに次世代を担うトップサイアーとなることは間違いない。

 NHKマイルカップ(3歳牡牝・GI・芝1600m)には3頭のシルバーステート産駒が登録している。それもニュージーランドT覇者のエエヤン(牡3、美浦・伊藤大士厩舎)、ファルコンSで2着のカルロヴェローチェ(牡3、栗東・須貝尚介厩舎)、アーリントンCで3着のセッション(牡3、栗東・斉藤崇史厩舎)という豪華布陣。GI初制覇はもちろん、上位独占までありそうだ。

 ただ、懸念材料もある。それはシルバーステート産駒が東京芝と相性が悪いということ。これまでに延べ100頭が走り、[6-4-10-80]の勝率6%、連対率10%、複勝率20%。このように数字を羅列するだけでは分かりにくいかもしれないが、JRA全10場のうち、出走が僅か6回と少ない京都を除くと、勝率も連対率も複勝率も最下位なのだ。

 そこで今回の3頭をチェックすると、エエヤンは東京で2戦して3着、5着と結果を残せていない。また、カルロヴェローチェとセッションの2頭は初の東京となるので、対応できるかどうかは未知数だ。果たして3頭の走りやいかに。逆に言うと、ここで結果を残すことができれば、種牡馬シルバーステートの可能性が大きく広がることは間違いない。