今年のNHKマイルC(3歳牡牝・GI・芝1600m)は危険な人気馬が多い。実績ではドルチェモアとダノンタッチダウンだが、今となっては朝日杯FSのレースレベルに疑問あり。かといって新興勢力のエエヤンとカルロヴェローチェは東京で不振のシルバーステート産駒だから、過大評価は禁物。そしてウンブライルは外に出してこそのタイプなので3番枠が不安だ。

 そんな中、人気の盲点となっているのがモリアーナ(牝3、美浦・武藤善則厩舎)だろう。長距離輸送で14kg増と調整に狂いのあった阪神JF(12着)を除けば、1着、1着、3着、4着という堅実派。クイーンCでは初の後方からの競馬だったが、しっかり伸びてタイム差なしの3着。一方、前走のニュージーランドTは好位の大外から早め進出という厳しい競馬を強いられながら、渋太く踏ん張って0秒3差の4着。いずれも負けて強しの内容だったことは間違いない。惜敗続きでワンパンチ足りない印象を持たれ、不当に人気を落としているのならば、配当妙味があるというものだ。

 今回は心強いパートナーも得た。鞍上の横山典弘騎手はNHKマイルCに強く、1番人気に一度も騎乗していないにもかかわらず、[3-6-2-10]で勝率14%、複勝率52%のハイアベレージを残している。テン乗りでも何度もGIを制している名手なので、信頼度は抜群。臨機応変な手綱さばきで、逃げ差し自在なモリアーナの持ち味をフルに発揮してくれるはずだ。