東京競馬場芝1600m戦を舞台に行われる「春の女王決定戦」。アートハウスの離脱は残念だが、連覇を狙うソダシに2冠牝馬スターズオンアース、秋華賞馬スタニングローズら4歳馬が挑む図式になって、なかなかのメンバーだ。

 マイル戦はスピードと切れ味が求められることが多く、レース直前の馬場状態も気になるが、最大のポイントは今週から仮柵が設けられるBコースが使用されることと、逃げ馬不在のメンバー構成ということか。

 ◎ナミュールはチューリップ賞に勝ち、秋華賞2着。牡馬相手の東京新聞杯も2着と健闘した。東京マイルは、スターズオンアースも出走していた2歳時の赤松賞で、次元の違うような末脚を発揮して優勝。これまで掲示板を外したのは大外枠から勝ちに行く競馬をした桜花賞のみで、その時も勝ち馬からは0.3秒差だから悲観する必要もなさそうだ。

 3歳春シーズンは馬体重の増減に苦しんだが、それでも同世代牝馬の中では上位の力を示している。ゲートの不安は100%解消されたわけではないので、スタンドから遠く離れた向こう正面スタートはプラス材料で、ここは初戴冠のチャンスだ。

 〇ソダシは昨年の優勝馬。その1戦を含めマイル戦はダート含めて【4-0-2-0】で、東京コースも【2-1-1-1】。コーナーを4回回る札幌競馬場の洋芝1800mと高速ワンターンの桜花賞をともにレコード勝ちするなど父クロフネゆずりのミステリアスな能力が武器。これまでのレースぶりから瞬発力勝負はやはり分が悪そうだが、自分で流れを作れる強みを併せ持つ。

 ▲ルージュスティリアは長篠S優勝馬で、阪神牝馬Sの1番人気。いまだに重賞以外では負けていない。前走は重賞とはいえ半マイル通過48.0秒、前半1000m59秒7というスローな流れになってキャリアの浅さを露呈してしまったが、それでも2着馬からは0.3秒差なら悲観することもない。今回も極端なハイラップというのは想像しにくいが、ある程度は流れるはず。この馬の瞬発力怖い。

 △スターズオンアースは昨年の2冠牝馬。前走の大阪杯は、前残りの展開の中で後方から出走メンバー最速の末脚で追い込んでハナ差2着。桜花賞馬だからマイルにも適性があり、オークス馬だから東京コースを不得意ということはないはず。

 何よりもデビューから1度も4着以下に落ちていないという堅実性は魅力だ。強烈な瞬発力を武器とするので良馬場にこしたことはないが、パワーある血統なので多少の渋りめには対応できるはずだ。

 桜花賞3着△ナムラクレアは高松宮記念2着。全4勝を芝1200mで記録しているスピード馬だが、桜花賞では最後の直線で1度は先頭になって3着と、距離の融通性も持ち合わせている。東京コースでソダシを破っている△イズジョーノキセキも侮れない存在だ。