今週末も引き続き「東京・京都・新潟」の3場開催。

 平地重賞は、土曜日に東京競馬場で京王杯SC(GII・東京・芝1400m)。そして日曜日にも同じ東京競馬場で、牝馬春の頂点を決める一戦・ヴィクトリアマイル(GI・東京・芝1600m)がスタートする。

 当然注目はGI・ヴィクトリアマイル。昨年の覇者ソダシはレーン騎手との新タッグで参戦。対する4歳勢は昨年の桜花賞&オークス勝ちスターズオンアース、秋華賞2着のナミュールなどが出走。さらには昨年の安田記念勝馬ソングラインと、今年もなかなかの好メンバーが揃った。ただ荒れる傾向も確実にある一戦。今週も過去10年データを使って、レース傾向と馬券のヒントを探っていこう。

1.人気はアテにならない?

 いつものように、まずは人気上位馬の成績チェックから。

 まず1番人気馬は過去10年で3勝。ヴィルシーナ(13年)・アーモンドアイ(20年)・グランアレグリア(21年)。昨年1番人気だったレイパパレは12着敗退。成績は【3-2-0-5】で50パーセントの連対率。信用度はあまり高くないといえるだろう。

 一方、2番人気馬は過去10年で0勝。成績は【0-0-1-9】でまったく好走できていない。昨年2番人気だったソングラインも5着に終わっている。3番人気馬は昨年のファインルージュが2着となって【0-2-0-8】という程度。上位3番人気までがすべて消えるというケースも過去10年で3回起きている。

 さらに4番人気馬は【1-2-0-7】。5番人気馬は【2-0-3-5】。これだけを見ていると、どうも人気はアテにならないということがわかる。

2.歴史に残る「あの大波乱」再び?

 ヴィクトリアマイルといえば、思い出すのは15年。1着5番人気ストレイトガール、2着12番人気ケイアイエレガント、3着18番人気ミナレットで、3連複286万円、3連単はなんと2070万円台という歴史的大波乱が起きた年だ。

 ポイントは、なんといっても大外から大逃げしたミナレットの粘り残り。ヴィクトリアMでは、ほかの年でも人気薄の逃げ残りパターンはあるので、今年も一応逃げ馬はマークしておきたい。実際、昨年も18頭立て18番人気ローザノワールが逃げて、3着レシステンシアとはハナ差の4着に粘っていた。「あれがきていれば…」という穴党もいたはずだ。

 今年のメンバーらは、典型的な逃げタイプはいないが、先行タイプはかなり多くいる。どれが逃げの手を選択するかという予想も馬券の焦点となってくる。

3. 7番人気以下の人気薄の狙い方とは?

 過去10年で、2ケタ人気馬で馬券に絡んでいた馬は6回で7頭。つまり過去10年のうち6回は「3連系の馬券は2ケタ人気馬を入れておかないとハズレ」だったのである。これは肝に銘じておきたい傾向だろう。

 さらに馬連では「1&2番人気」「1&3番人気」「2&3番人気」という上位人気同士の組み合わせの発生は一度もなし。まさに本命党キラーのレースなのである。

 3着以内が「6番人気以内の馬同士」で決まった年というのも10年でわずか2回だけ。とにかく馬券の構成が大事になってくるのだ。

 さらにデータを広げて過去20年分でみてみると、7番人気以降で馬券になっている馬は19頭にも上る。そして、そのなかでも顕著なのが「近3走以内で牝馬重賞を勝っている馬」というパターン。昨年は7番人気以下の馬が好走できなかったが、一昨年は指摘していたランブリングアレー(10番人気)が2着になっている。

 今年もそのパターンを狙うならば、「7番人気以降になりそう」かつ「近3走以内で牝馬重賞を勝っている馬」は、スタニングローズ、ララクリスティーヌ、ステラリア、サウンドビバーチェあたりが候補。さて、これらの食い込みの波乱シーンはあるのだろうか。

(netkeiba編集部)