【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ
・5/14 ヴィクトリアマイル(GI・東京・芝1600m)
 馬群を割って伸びたソングラインがゴール直前でソダシをアタマ差とらえました。昨年の安田記念以来となるGI制覇で、重賞は国内外を含めて4勝目となります。東京芝1600mはこれで[4-1-0-1]。2着と敗れたNHKマイルCはハナ差負けで、5着と敗れた昨年のこのレースは3コーナーで躓く不利がありました。理由なく凡走したレースはなく、今回の勝利で東京芝1600mにおける強さをあらためて印象付けました。

 父キズナはアカイイト(エリザベス女王杯)、ディープボンド(フォワ賞、阪神大賞典2回、京都新聞杯)、バスラットレオン(ゴドルフィンマイル、1351ターフスプリント、ニュージーランドトロフィー)などの父。JRAの重賞はこれで20勝となりました。このほか海外4勝、地方競馬のダートグレード競走を3勝しています。

 GIを勝った本馬とアカイイトはいずれも「キズナ×シンボリクリスエス」という組み合わせ。3代母ソニンクの一族は、ダービー馬ロジユニヴァース、秋華賞と英G1ナッソーSを勝ったディアドラ、青葉賞を制したスキルヴィングをはじめ多くの活躍馬を出しており、とくに東京芝コースの重賞では15戦7連対(連対率46.7%)と抜群の成績です。今後も東京コースではつねに重視しなければならない馬でしょう。

◆今週の血統Tips
 桜花賞は先に行った馬、内を回った馬に有利な馬場コンディションでした。それをものともせず、4コーナー16番手から大外を回って差し切ったリバティアイランドのレースぶりは、ケタ違いというほかない衝撃的なものでした。同じく後ろからレースを進めた馬のなかではシンリョクカが目を惹きました。4コーナー11番手から6着。リバティアイランドの派手な勝ちっぷりの陰に隠れていますが、決して悪くないパフォーマンスだったと思います。父サトノダイヤモンドは晩成タイプで、距離が延びてから良さが出てくるタイプ。先日の京都新聞杯をサトノグランツが勝ちました。この時季の芝2400m戦は合うはずです。3着以内を狙える馬でしょう。

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