大舞台の乗り替わり、それも初騎乗で結果を出すのは、幾ら名手でも簡単ではない。とりわけ日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)は古くから「人馬の絆が問われるレース」と言われ、テン乗りの馬が苦戦を強いられている。勝ったのは54年ゴールデンウエーブの岩下密政騎手が最後。乗り替わりでは2年前の21年にシャフリヤールの福永祐一騎手が制しているが、これが85年シリウスシンボリの加藤和宏騎手以来、実に36年ぶりだった。

 今年の日本ダービーには…
・タスティエーラ(牡3、美浦・堀宣行厩舎)のD.レーン騎手
・ドゥラエレーデ(牡3、栗東・池添学厩舎)の坂井瑠星騎手
・ファントムシーフ(牡3、栗東・西村真幸厩舎)の武豊騎手
・フリームファクシ(牡3、栗東・須貝尚介厩舎)の吉田隼人騎手
・ベラジオオペラ(牡3、栗東・上村洋行厩舎)の横山和生騎手
・ホウオウビスケッツ(牡3、美浦・奥村武厩舎)の丸田恭介騎手

 以上の6騎手がテン乗りでの参戦を予定している。とりわけ皐月賞で2着、3着だったタスティエーラとファントムシーフは有力候補の1頭。実績も実力も十分のレーン騎手、武豊騎手がジンクスに終止符を打つのか、それとも見えない壁に跳ね返されるのか、大いに注目したい。

【日本ダービーの乗り替わりV】騎手名の後ろの※は初騎乗
・34年フレーモア・大久保亀治※
・36年トクマサ・伊藤正四郎※
・54年ゴールデンウエーブ・岩下密政※
・60年コダマ・栗田勝
・85年シリウスシンボリ・加藤和宏
・21年シャフリヤール・福永祐一