日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)で注目される血統と言えば、ディープインパクト産駒やハーツクライ産駒、キングカメハメハ産駒だろう。しかし、ここではあえて日本ダービー未勝利のダンジグ系をピックアップしたい。

 ダンジグは77年米国生まれのノーザンダンサー産駒。現役時代は一般戦のみの3戦3勝だったが、種牡馬となって大成功。産駒は世界中のGIを制し、日本でもアグネスワールドやヤマニンパラダイス、マグナーテンなどの活躍馬が出た。

 ダンジグ系は大きく発展し、日本にもハービンジャーやチーフベアハート、ピルサドスキーなど、多くの種牡馬が導入されている。JRAのGIは通算17勝。しかしながら、クラシックには延べ76頭が参戦して未勝利で、17年皐月賞のペルシアンナイト、17年オークスのモズカッチャンの2着が最高着順。日本ダービーには14頭が出走し、00年アタラクシアと13年アポロソニックの3着が最高着順となっている。

 しかし、それでもダービーでダンジグ系に注目するのには理由がある。それは母系に入った時のサポート力が凄まじいからで、母の父ダンジグ系は日本ダービーで[3-2-2-15]の勝率14%、複勝率32%。回収率は単勝が474%、複勝でも121%あるのだ。また、馬券に絡んだ7頭は全て、父がサンデーサイレンス系だったことも注目点といえる。

 今年の登録馬のうち、父サンデーサイレンス系×母の父ダンジグ系は、サトノグランツ(牡3、栗東・友道康夫厩舎)の1頭のみだ。未勝利、ゆきやなぎ賞、京都新聞杯と目下3連勝中。今回が初の一線級との戦いとなるが、マカヒキでダービーを制している「友道厩舎×川田騎手」のタッグは頼もしい限り。血の後押しも受けて、世代の頂点に立つ可能性は十分にある。

【ダービー3着以内の母の父ダンジグ系】カッコ内は人気、父
・02年3着マチカネアカツキ(6・サンデーサイレンス)
・05年3着シックスセンス(7・サンデーサイレンス)
・08年1着ディープスカイ(1・アグネスタキオン)
・09年1着ロジユニヴァース(2・ネオユニヴァース)
・12年2着フェノーメノ(5・ステイゴールド)
・16年2着サトノダイヤモンド(2・ディープインパクト)
・19年1着ロジャーバローズ(12・ディープインパクト)