【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【デインヒル】
父ダンジグ譲りのスピード、前進気勢が持ち味。道中行きたがる悪癖によってマイル路線では結果が出なかったのですが、スプリント路線に転じると芝6ハロンの英G1を制しました。ノーザンダンサーの母ナタルマを3×3で持つ大胆な配合構成で、種牡馬入りすると大成功を収め、英仏豪でリーディングサイアーとなりました。
名馬フランケルは、豊富な筋肉量と雄大なトモ、そして前進気勢の強さといったいくつかの特長から、父ガリレオよりもむしろ母の父デインヒルの面影を感じさせます。
1996年に日本で一年だけ供用され、フサイチソニック(神戸新聞杯)、ブレイクタイム(京成杯AH2回)などを出しました。ヨーロッパの重い芝でも日本の軽い芝でも産駒が走ったのは、高い種牡馬能力ゆえでしょう。このほか、マル外のファインモーションが秋華賞とエリザベス女王杯を制しています。近い世代にこの血が入った馬は、完成が早くなり、スピード方向に適性が寄る傾向があります。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「予想をするうえで血統を活用したほうがいい時」
もちろん、距離や馬場コンディションで血統を活用するのは当然ですが、過去の戦績がない、どの馬も初出走となる新馬戦は血統が大きなファクターとなります。
たとえば、もう新たな産駒がデビューすることはありませんが、ディープインパクト産駒は新馬戦の連対率が40.0%。2010年以降、新馬戦で100走以上した136頭の種牡馬のなかで断然です。2位キタサンブラックが27.6%ですから異次元の数字といってもいいでしょう。
オルフェーヴルやゴールドシップといったステイゴールドを父に持つ種牡馬は、逆に新馬戦の成績が低調です。持ち味が違うということです。徐々に良くなるタイプなので、新馬戦では疑ってかかったほうがいい血統といえるでしょう。
ちなみに、現在産駒が新馬戦に出走可能な種牡馬の連対率上位は以下のとおり。
1位 キタサンブラック 27.6%
2位 ドゥラメンテ 24.4%
3位 ロードカナロア 23.3%
4位 エピファネイア 23.0%
5位 ダイワメジャー 22.6%
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