11月12日(日)に京都競馬場で行われるエリザベス女王杯(3歳上牝・GI・芝2200m)。今年は15頭が出走を予定しているが、中でもジェラルディーナとディヴィーナの対決は見どころのひとつだろう。両者は同世代かつ、同じモーリス産駒で、何より母がライバル同士という関係。本稿では娘たちの対決を前に、母2頭が桜花賞以来の再戦を果たした12年オークスを振り返ってみたい。

■圧巻の5馬身差

 桜の舞台では0.1秒という、わずかな差で明暗が分かれた2頭。ともに牝馬二冠目となる“樫の舞台”に駒を進めてきたが、人気は意外にも前走敗れたヴィルシーナのほうが集めた。ジェンティルドンナは桜花賞を勝利しながらも、初の長距離遠征や乗り替わり、距離延長が不安視されたのか、3番人気の単勝5.6倍。ヴィルシーナは2番人気の3.6倍というオッズだった。

 レースは前走同様に伏兵が引っ張り、1000m通過は59.1秒というミドル〜やや速めのペース。ヴィルシーナは馬群真っ只中の8、9番手あたりを運んだが、その2、3馬身後ろにジェンティルドンナがいた。2頭はお互いをけん制しながら、自分のリズムを守って追走。3コーナーを過ぎて、大ケヤキの向こう、そして4コーナー。いまか、いまかと仕掛けどころをうかがう。

 直線で各馬が横にバラけると、ヴィルシーナが早々に進路を見つけて追い出し開始。じわり、じわりと脚を伸ばしていくが、抜け出そうとした瞬間にジェンティルドンナが並びかけてきた。桜花賞の雪辱を期すヴィルシーナと内田博幸騎手は必死に抵抗したが、そんな隙さえ与えない一気の豪脚。併せ馬にさえ持ち込ませない、まさに一瞬の出来事だった。川田将雅騎手のアクションに応えたジェンティルドンナは、気づけば5馬身も前にいた。

 各馬が白旗をあげざる得ない衝撃的な走り。着差もさることながら、走破タイムの2分23秒6は、それまでのレースレコードを1.6秒も更新していた。二戦連続の2着。それも実力差をまざまざ見せつけられることになったヴィルシーナ。トリッキーな京都2000mなら逆転は可能か。それともジェンティルドンナが再び圧巻の走りを見せるのか。両者は秋に再戦を誓い、春シーズンを終えた――。