【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返るマイルCS

【Pick Up】ナミュール:1着

 阪神JFは大きく出遅れて4着。秋華賞は半馬身差の2着。惜しいところでGIを逃してきたナミュールが、牡馬相手に初のビッグタイトルを手にしました。

 きょうだいにラヴェル(アルテミスS)、ヴェスターヴァルト(ファルコンS3着)、アルセナール(1戦1勝)。近親にはマルシュロレーヌ(BCディスタフ)をはじめ活躍馬がひしめいています。3代母キョウエイマーチは桜花賞馬で、その父ダンシングブレーヴは現代屈指の名血。わが国では息子のキングヘイローが優れたブルードメアサイアーとなり(イクイノックス、ピクシーナイト、キングズソード、ディープボンドなどを出す)、海外ではドバウィ、キングマン、オアシスドリームといった名種牡馬の構成要素となっています。

 父ハービンジャーは今年JRA重賞8勝目。全種牡馬のなかでドゥラメンテ(11勝)、ロードカナロア(9勝)に次ぐ第3位です。2歳牝馬の大器チェルヴィニア、重賞連勝中の4歳牡馬ローシャムパークも同産駒です。現在、総合種牡馬ランキング第11位。過去3年間、16→20→14位だったので、今年は好調です。チェルヴィニアが阪神JFで好走すればベスト10が近づきます。

◆血統で振り返る東京スポーツ杯2歳S

【Pick Up】シュトラウス:1着

 気性の難しさを抱えた馬ですが、J.モレイラ騎手の高い技術によって道中折り合い、直線で抜け出しました。

 母ブルーメンブラットはマイルCSと府中牝馬Sの勝ち馬。8歳で早世したダービー馬アドマイヤベガの代表産駒の一頭で、直線で繰り出す抜群の切れ味がセールスポイントでした。2代母の父トップサイダーの影響か、繁殖牝馬としては気性の難しさを伝えます。これまでに競走馬となった仔にもそうした傾向が見られました。シュトラウスの父モーリスも決して温和なタイプではないため、今回のレース後、J.モレイラ騎手は「コントロールしづらいタイプ」とコメントしています。

 とはいえ、父母ともにGIウィナーという超良血馬。折り合いさえつけば重賞を勝てるだけの実力馬であることを証明しました。武井調教師が「現状ではマイル」とコメントしたように、暮れのGIに出るとしたら朝日杯FSになるのでしょう。



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