【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返るAJCC

【Pick Up】チャックネイト:1着

 中山芝2200mは、スピードの持続力とスタミナが要求され、上がりが速くならない傾向があります。不良馬場の影響もあってレースの上がり3ハロンは37秒8、ラスト1ハロンは13秒1という持久力勝負。チャックネイトはそうしたレースに高い適性がありました。

 父ハーツクライは、ドウデュース、スワーヴリチャード、リスグラシュー、ジャスタウェイなどの父。母ゴジップガールはアメリカンオークス招待S(米G1・芝10ハロン)など3つの芝重賞を制覇しました。

 母の父ダイナフォーマーはクリスエスやシルヴァーホークと並ぶロベルト系の名種牡馬で、現役時代は米G2を2勝した程度の目立たない競走馬でした。しかし、サンシャインフォーエヴァーやブライアンズタイム(この2頭は父が同じで母同士が全姉妹)と血統構成の8分の7まで同じという良血がモノをいい、アメリカはもちろんヨーロッパでも多数の活躍馬を誕生させました。

 ロベルト系のセールスポイントはスピードの持続力とスタミナ。中山の中長距離に向いた血で、たとえば有馬記念においては無類の強さを発揮しています(通算9勝)。ダイナフォーマーはロベルト系のなかでもパワー色が強いので、道悪の中山芝2200mという舞台は、チャックネイトにとって持ち味を発揮しやすかったといえるでしょう。ちなみに、「ハーツクライ×ダイナフォーマー」と血統構成がよく似た「ハーツクライ×ブライアンズタイム」は、過去重賞を4勝していますが、うち2勝が中山コースでのものです。

◆血統で振り返る東海S

【Pick Up】ウィリアムバローズ:1着

 父ミッキーアイルは、ディープインパクト産駒の名マイラー。メイケイエール、ナムラクレア、ララクリスティーヌ、デュアリストの父となっています。

 牡と牝とで産駒の傾向に明確な違いがあり、牡はダート向き(芝=17勝、ダート54勝)、牝は芝向き(芝=51勝、ダート19勝)に出ます。これまでに5頭の仔が重賞を計13勝していますが、牡の2勝はいずれもダート、牝の11勝はすべて芝です。こうしたタイプの種牡馬は、たとえば今回2着だったオメガギネスの父ロゴタイプ、昨年の新種牡馬カリフォルニアクロームなどがいます。

 ウィリアムバローズは芝でデビューし、4戦して勝てず、ダートに転向しました。ここから見違えるように勝ちはじめ、6歳にして重賞ウィナーの仲間入りを果たしました。

 母ダイアナバローズは紫苑S(当時はオープンクラス)の勝ち馬ですが、船橋競馬場で行われたダートグレード競走マリーンC(JpnIII)で5着となっており、シンボリクリスエス産駒らしいパワーの片鱗を見せています。シンボリクリスエスはルヴァンスレーヴ、サクセスブロッケンなどの父です。



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