フェブラリーSの前哨戦である根岸ステークス(4歳上・GIII・ダ1400m)は、芝を走ってきた馬にとって、「ダートを試すことの多いレース」でもある。そこで根岸Sがダート転向初戦だった名馬を振り返ってみたい。

 根岸Sが現行条件となった01年以降、このレースが初ダートだった馬は10頭いる。いずれも重賞勝ち馬で、うち5頭にはGI勝ちの実績があった。しかしながら、勝利を収めたのは20年のモズアスコットの1頭のみ。芝でどれだけ実績があっても、重賞で初めてダートを走って結果を出すことは非常に難しいのだ。ちなみにモズアスコットは続くフェブラリーSを制し、秋の南部杯でもクビ差の2着に健闘。芝ダート二刀流のトップマイラーとして名を馳せて、現在は種牡馬としても人気を集めている。

 一方、芝のGI馬でありながら、初ダートの根岸Sで敗れたのは01年のエイシンプレストン(12着)、15年のロゴタイプ(8着)、19年のケイアイノーテック(10着)、21年のステルヴィオ(10着)の4頭だ。いずれも8着以下の大敗。また、エイシンプレストンを除く3頭には、結果的に生涯のダート経験がこのレースのみになったという共通項がある。エイシンプレストンにしても、その後のダート経験は翌々年のフェブラリーS(16着)の一戦のみなのだから、事実上このレースでダートに見切りをつけたといえるだろう。

 今年は珍しく芝からの転戦組がいない根岸Sだが、来年以降に芝のGI馬が参戦することもあるはず。しかしながら、データ的には過信禁物。馬券の取捨は冷静にすることを覚えておきたい。

【根岸Sが初ダートだった馬】カッコ内はレース前の主な勝ち鞍
・01年12着・エイシンプレストン(99年朝日杯3歳S)
・03年13着・サクセスビューティ(02年フィリーズレビュー)
・03年16着・ダイワルージュ(00年新潟3歳S)
・05年14着・アドマイヤマックス(04年富士S)
・06年11着・バランスオブゲーム(03年毎日王冠)
・15年8着・ロゴタイプ(13年皐月賞)
・19年10着・ケイアイノーテック(18年NHKマイルC)
・20年1着・モズアスコット(18年安田記念)
・21年10着・ステルヴィオ(18年マイルCS)
・23年12着・ホウオウアマゾン(21年アーリントンC)