【合田直弘(海外競馬評論家)=コラム『世界の競馬』】

◆ペガサスワールドCを展望

 今週後半は、1日に複数の重賞競走が組まれた豪華な集中開催が、世界の様々な地域で立て続けに行われる。

 今年から開催日程が大きく変わったドバイでは、昨年まで3月の第1土曜日にスーパーサタデーと銘打った開催に組まれていたG1ジェベルハタ(芝1800m)やG1アルマクトゥームチャレンジ(d1900m)が、5週間ほど前倒して1月26日(金曜日)に移行。この日のメイダン開催は、アラブ種のレースを含めて重賞競走が8つも組まれている、目移りするような開催となっている。

 イギリスでは、20日にアスコット競馬場で予定されていたG1クラレンスハウスチェイス(芝16F167y)が寒波による馬場凍結で中止となり、1週間順延された上で場所もチェルトナム競馬場に移して、27日に施行されることになった。27日のチェルトナム開催は、3月12日から15日まで行われるチェルトナム・フェスティヴァルへ向けた「トライアル・デー」で、もともと、G1チャンピオンハードル(芝16F87y)の前哨戦となるG2ユニベットハードル(芝16F179y)や、G1ゴールドC(芝26F70y)の前哨戦となるG2コッツウォルドチェイス(芝25F156y)など5重賞が組まれていたから、ここにG1クラレンスハウスチェイスが加わった27日のチェルトナムも絶対に見逃せない開催と言えよう。

 アメリカでは、フロリダ州のガルフストリームパーク競馬場で、27日にペガサスワールドCデーが開催される。総賞金300万ドルのG1ペガサスワールドC(d9F)、総賞金100万ドルのG1ペガサスワールドCターフ(芝9F)など、ここも1日に7つの重賞競走が組まれている超豪華な開催となっている。

 さらに南アフリカでは、シーズン半ばの大一番となるG1ケープタウンメット(芝2000m)が、27日にケニルワース競馬場で行われる。そしてこの開催も、G1ケープフライング(芝1000m)、G1マヨルカS(芝1600m)など、3つのG1を含む5重賞が組まれており、おおきな盛り上がりを見せること確実だ。競馬ファンにとっては、大忙しの週末になりそうである。

 本コラムではこのうち、アメリカのフロリダで行われるG1ペガサスワールドCを展望したい。

 ブックメーカー各社がほぼ横並びで1番人気に推すのが、B.バファート厩舎のナショナルトレジャー(牡4、父クオリティロード)だ。2歳時から、G1BCジュベナイル(d8.5F)で3着になるなど、世代のトップホースの1頭として活躍してきた同馬。3歳春は、マンダリンヒーローが2着となったG1サンタアニタダービー(d9F)で4着となった後、G1ケンタッキーダービー(d10F)をスキップして臨んだ3冠2戦めのG1プリークネスS(d9.5F)を制し、G1初制覇を果した。その後、G1ベルモントS(d12F)6着、G1トラヴァーズS(d10F)5着、古馬との初顔合わせとなったG1オーサムアゲインS(d9F)で4着となった後、前走G1BCダートマイル(d8F)ではコーディーズウィッシュと大接戦を演じた末、ハナ差の2着となっている。

 ブックメーカーによってはナショナルトレジャーと横並びの1番人気、多くの社が2番人気に推しているのが、ゴドルフィンのファーストミッション(牡4、父ストリートセンス)だ。

 デビューしたのが3歳2月で、2戦目となったフェアグラウンズ競馬場のメイドン(d8.5F)を制して初勝利を挙げると、続くG3レキシントンS(d8.5F)も勝って重賞初制覇を果した。その後はG1プリークネスSを目標に調整されたが、球節に炎症を起こしてレース前日に出走を取り消し、その後は休養に入ることになった。戦線に戻ったのが10月で、半年の休み明けだったキーンランド競馬場の一般戦(d8.5F)を制し3連勝を果すと、続いて出走したチャーチルダウンズ競馬場のG2クラークS(d9F)が、勝ち馬トレードマークにハナ差及ばぬ2着だった。

 ペガサスワールドCにはこの他、G1BCダートマイルが3着だったスキッピーロングストッキング(牡5、父エグザジェレイター)、G2クラークSの勝ち馬トレードマーク(セ5、父アップスタート)と同競走の3着馬イルミラコロ(牡4、父ガンランナー)、12月2日にアケダクト競馬場で行われたG2シガーマイル(d8F)の1.2着馬ホイストザゴールド(牡5、父マインシャフト)とセニョールブスカドール(牡6、父マインシャフト)、12月30日にガルフストリームパーク競馬場で行われたG3ハーランズホリデーS(d8.5F)勝ち馬オコナー(牡7、父ボボマン)らが出走を予定している。

 ここでの結果と内容次第で、次走は2月24日のG1サウジC(d1800m)に向かう馬が出て来る可能性がある一戦だけに、日本の皆様もぜひご注目いただきたい。

(文=合田直弘)

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