【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆勝負の分かれ道は最後の脚の使い方

 根岸SからフェブラリーSへとステップアップした昨年のレモンポップは、南部杯、チャンピオンズCと勝ち続け最優秀ダートホースにまで上りつめたが、一方でウシュバテソーロがドバイWC、東京大賞典を勝って存在を示していた。このダートの強豪2頭は、今年はサウジアラビアのサウジCへ向かい、米BCクラシック2着のデルマソトガケとともに参戦することになっている。サウジCは、昨年はパンサラッサが勝ち13億6000万円の賞金を獲得していて、年明けのダート馬の目標になってきた。国内で圧倒的に強さを見せつけた強豪が、サウジCで米国勢とどう戦うか、今後の日本のダート界に与える影響は大きい。

 そうした背景の中、根岸SはフェブラリーSの前哨戦として新たなダートチャンピオンを目指す面々が集結したと言っていい。昨年のレモンポップのようにここを勝ってフェブラリーSに向かった馬は、この10年で9頭いたが、そのうち4頭がそこを勝ってGI馬になっていたし、他に2頭が馬券圏内に入っていた。ともに東京のダートで行なわれるが、最後の直線が長く、距離が異なると言ってもどれだけ最後に脚を使えるかが勝負の分かれ道になっている。

 今年の顔ぶれの中では、6戦5勝で1400米4連勝中の伸び盛りな4歳馬サンライズフレイムに注目したい。前走のオープン特別で10頭ごぼう抜きのシーンを演じて見みせた。何よりも注目すべきは、昨秋武蔵野Sで正攻法の競馬で完勝したドライスタウトの半弟だということ。左前屈腱炎で休養していて、出て来れば有力馬になっていた筈の兄にかわって出走している。ゲートに課題があったりテンションが高かったりと厳しいシーズンを乗り越えてここまで来て、まだ成長の余地はある。

 あとはベテランの馬からで、その武蔵野Sで上がり最速をマークして2着に入り復調気配のタガノビューティーを。2年連続して出走していて3着と4着と実績はある。もう一頭4歳馬エンペラーワケアの連勝の勢いを。かかるところがなく、コントロールが利くタイプで、初挑戦の重賞だが、ひと暴れの可能性はある。

 4年ぶりに京都で行なわれるシルクロードSは混とんとしているスプリント戦線にあって重要なポイントとなりそうだ。内回りコースの1200米で前で動ける馬を捜したい。ハンデ面から4歳牝馬ジューンオレンジを。二の腕が速く好位に取りつける有利さを生かせるとみたい。これまでも牝馬の1着は多かった。ラップは速くなるが戸惑うことはないだろう。同じ4歳のルガルも二の腕が速い。昨年は1200米のGIII戦で2度とも2着しており、得意の舞台という点も強調できる。

 そして、1年の長期休養から復帰した昨夏から着実に力をつけてきた5歳馬オタルエバーだが、道中我慢が利くようになったのが好走につながっているので、この馬も。

「文句なし 強風切り裂く その速さ」



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