【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆人気馬の苦戦が目立つ?

 春の牡馬クラシックに向けて注目度の高い共同通信杯だが、一番人気が苦戦することで知られている。スタートして直ぐに向正面の長い直線に入ることで、だいたいがペースが上がらず、その分最後の長い直線での上がりが速くなるという傾向が、勝利の行方を難しくしている。この経験値があるかどうかとか、このペースでも十分に戦える資質を持っているかどうか、考えなくてはならない。以前は日本ダービーを見据えて東京コースを経験させておこうと出走する有力馬もいたが、今はそれよりも、皐月賞までのレース間隔を考えてここに出走させることも増えている。

 この10年でもイスラボニータ、ディーマジェスティ、エフフォーリアがここを勝って皐月賞馬になっていた。キャリアの浅い3歳馬だし、朝日杯FSの結果にどうしても目が行ってしまうのも仕方ないが、その戦い方の中味をじっくり見なくてはならない。5年前、朝日杯FSを勝ち4戦4勝で1番人気だったアドマイヤマーズが2着に敗れたことがあった。ゆっくりハナに立ってマイペースの逃げで後続を引きつけていたが、瞬発力勝負になり、3・4番手でこれを見ていたダノンキングリーに交わされていた。この時の前半千米は61秒5のスローペースだった。

 今年、朝日杯FSを勝って3戦3勝で出走するジャンタルマンタルがどうかだが、その勝ち方に余裕を感じたと言っていい。朝日杯FSは17頭立てだったが、中団のインにつけ早目に仕掛けて余力十分の勝ち方で、反応の良さや加速するときの力は目立っていた。距離に関しても、新馬戦を勝ったときが1800米だったので問題はない。父のパレスマリスは米国馬でベルモントSを勝っているが、ジャンタルマンタルを追うように、今年に入ってシンザン記念でノーブルロジャーが勝っている。日本の競馬に合うということで、これからしばらくは産駒に注目していきたい。

 3歳馬と言えば新しい種牡馬の登場に目が行くが、この世代の新種牡馬ではスワーヴリチャードが最も産駒が走っている。自身も現役時では共同通信杯を勝ち、皐月賞6着日本ダービー2着と走っていた。ハーツクライの血を引いていて、これから目のはなせない存在だ。今年のショーマンフリートは3戦目になるが、中山で新馬を勝ったとき逃げ馬を前に加速ラップで急坂をノーステッキで上っていた。スピードとパワーが光っていた。

 年明けの3歳の重賞ではエピファネイア産駒が走っていて、フェアリーSのイフェイオン、京成杯のダノンデサイル、きさらぎ賞のビザンチンドリームと3頭が勝っている。これを追って、パレスマリス、スワーヴリチャード産駒がどう走ってくるか注目してみたい。種牡馬の面からこれに加えるとするならば、キズナ産駒のジャスティンミラノ、ロードカナロア産駒のベラジオボンドも加えたい。どちらも2戦目、賞金加算が必要だから。

「身を結ぶ 悲願達成 あと一歩」

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