フェブラリーS(4歳上・GI・ダ1600m)はダートの王者を決めるレースだが、実は芝から転戦してくる馬が多いレースでもある。古くは前年の有馬記念で3着だったマイネルブリッジ(97年12着)やGIの常連だったキングヘイロー(00年13着)、最近では前年の3歳マイル王に輝いたカレンブラックヒル(13年15着)やGIで2着2回のデニムアンドルビー(17年16着)が果敢にチャレンジしている。

 多くの実力馬が苦戦しても、毎年のように芝馬が参戦してくるのはなぜか。それは高額賞金のGIであることはもちろんだが、東京ダ1600mが芝スタートということが大きい。また、ダートにしてはスピードが求められるコーナー2つ&直線が長いコース形態も、芝馬にとって魅力に映るのだろう。

 今年も芝の実力派3頭がフェブラリーSにエントリーしてきた。実績なら昨年のNHKマイルCを制したシャンパンカラー(牡4、美浦・田中剛厩舎)が一番だ。東京芝1600mは4戦3勝の好成績なので、左回りのマイルは合う。ドゥラメンテ産駒にはドゥラエレーデやアイコンテーラーなど、芝ダート兼用の一流馬が多いだけに、あっさりと砂を克服しても驚けない。

 一昨年のセントライト記念覇者ガイアフォース(牡5、栗東・杉山晴紀厩舎)も不気味だ。硬めの脚捌き、母の父クロフネという血統構成は、むしろダートでこその雰囲気すらある。ハイペースかつハイレベルな23年天皇賞(秋)で先行し、5着に粘った実力は侮れない。そしてもう1頭はカラテ(牡8、美浦・辻野泰之厩舎)。18年11月の2歳未勝利(東京ダ1600m)以来、実に5年3カ月ぶりのダート戦。父トゥザグローリー×母の父フレンチデピュティという配合なので、適性自体はあっても不思議ない。21年東京新聞杯を制しており、東京マイルの舞台自体は好相性といえる。押さえておいて損はないだろう。

 芝馬は厳しいというデータを覆し、レース史に残る勝利を手にすることができるか。3頭の走りに要注目となる。