【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返る中山記念

【Pick Up】ソールオリエンス:4着

 ソールオリエンスのウィークポイントは器用さに欠けるところ。機動力のあるタイプではなく、右回りではコーナーを逆手前で回ることもしばしば。皐月賞はそうした悪癖を出しながらも、前後半58秒5-62秒1という極端な前傾ラップだったため、鮮やかな追い込みを決めました。

 レースを重ねるにつれて手前の替え方は上達してきましたが、今回は距離短縮も影響したのか追走に手こずり、最後の直線で大外に持ち出したものの4着まで追い上げるのが精一杯でした。前が止まりにくい開幕週の馬場で、上位3頭は先に行ってラチ沿いを回るというロスのない競馬。実力負けというよりは適性負けでしょう。

 母の父モティヴェイターは、タイトルホルダーやステラリアの母の父でもあり、サドラーズウェルズ系らしい持続力を伝えるタイプ。小回りコースに適性を感じさせる要素ではあります。ただ、キタサンブラック産駒は直線の長い東京芝コースがベスト。これまでに重賞6勝、連対率30.6%と抜群の成績です。同じ父を持つイクイノックスが天皇賞(秋)を連覇しましたが、ソールオリエンスも適性があるのではないかと思います。

◆血統で振り返る阪急杯

【Pick Up】ウインマーベル:1着

 米二冠馬アイルハヴアナザーは、引退後すぐ来日し、新冠のビッグレッドファームで6年間供用されたあと、アメリカへ帰りました。平地勝利数の約4分の3がダート、というパワー型で、ウインマーベルは芝における唯一の重賞勝ち馬です。

「アイルハヴアナザー×フジキセキ」の組み合わせはアナザートゥルース(ダイオライト記念、アンタレスS)と同じ。同一種牡馬の芝とダートの代表産駒が同じ組み合わせであるのはレアケースでしょう。この組み合わせはラストコーズ≒ミリセント4×5という相似な血のクロスが生じるためか相性が良く、これまでに12頭出走して8頭が勝ち上がり、連対率32.0%、1走あたりの賞金額461万円という好成績を挙げています。アイルハヴアナザー産駒全体は連対率13.8%、1走あたり117万円なので、明確なニックスといえます。

 これで重賞3勝目。アイルハヴアナザー産駒の牡馬は晩成傾向があり、スプリンターズSで2着となったように1200mも守備範囲。ママコチャ、ナムラクレア、ルガルといったライバルは強力ですが、高松宮記念も十分チャンスはあるでしょう。



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