【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆落ち着いた流れでどう立ち回れるかが大きなポイント

 弥生賞ディープインパクト記念の出走頭数は、ひと頃より少なくなってきた。だいたい10頭からせいぜい13頭ぐらいだから、同じ中山の2000米と言っても、皐月賞とはそのレースの中味が違っている。

 この10年、弥生賞の勝ち馬からダービー馬や菊花賞馬は生まれていても、皐月賞馬は出ていない。このトライアルはペースが上がることはほとんどなく、その落ち着いた流れの中どう立ち回れるかが大きなポイントになっている。

 3年前にこんなことがあった。それまで東スポ杯2歳SやホープフルSを勝って3戦全勝で年を越し、2ヵ月半ぶりにこのトライアルに出走してきたダノンザキッドが、単勝1.3倍の圧倒的1番人気で臨み、3着に敗れたのだ。

 パドックでは二人引きで気合も乗り好調に見えていたが、レースではスローペースのため少し行きたがり、なんとか折り合いをつけ中団で我慢させて4角で外から進出し、若干外にもたれながらも上がり3ハロン34秒2の最速をマークして伸びてきたが、1・2番手を行くタイトルホルダー、シュネルマイスターの脚が止まらず、とらえ切れなかったのだった。

 道中は力みながら走っていたが、だからこそ前哨戦を使ったので、これを糧に本番に向かえればと思うと関係者は言葉を残していた。

 キャリアの浅いこの時期の馬だからこそ、それぞれが少なからず課題をかかえている。それでも可能性を追求するのが使命だから戦い続けていると言っていい。

 ここに名を連らねている各馬それぞれがどんな思いで出走し、その結果をどう受け止めるかに注目していきたい。

 クラシックに向けての重要なトライアルだが、この落ち着いた流れにどう立ち回るかがポイントとなると、レースではその位置取りやコース取りが問題になってくる。

 先行型が好成績を残していることや、上がり3ハロンの最速馬またはそれに匹敵する決め手のあった馬が良績を残せている点を、しっかり頭に入れて対処したい。

 中山の2000米で新馬、葉牡丹賞と2連勝しているトロヴァトーレは、どちらもスローペースに折り合って33秒台の脚を使っていた。じっくり乗り込んで3ヶ月ぶりの実戦になるが、収得賞金が900万なので、クラシックに出るには、どうしても賞金の上積みがなくてはならない。レイデオロ産駒でもトップクラスとの評判に応えるシーンを期待したい。

 同じ2戦2勝では、前走のアイビーSで2番手から32秒台で上がっていたダノンエアズロックを。初の右回りだが、ゲートの出がよく立ち回りの巧さがある馬なので期待したい。

 重賞好走組からは、ホープフルSで4番手の内から一度は抜け出して2着と頑張ったシンエンペラーを。自在性のある脚質で展開に左右されないタイプだ。

 抜け出してソラを使う若さがあったが、パワーアップして凱旋門賞馬の全弟らしさを見せるかもしれない。

「トライアル 開幕告げる 二重賞」



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