【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆春の大舞台を目指す3歳馬の路線が多様化した

 大袈裟かもしれないが、重賞でもGIIのランクになると、その馬の生涯がかかっていると言ってもいい。スプリングS・阪神大賞典の勝ち馬にはかつての名馬が多い。スプリングSには、三冠に輝いた古くはシンザン、その後のナリタブライアン、オルフェーヴルなどここを勝ってステップアップし後世に名を残したし、春の二冠を制した馬も多く生み出している。

 ところが、春のタイトルをめざす3歳馬の路線が多様化した今は、重要な前哨戦であっても、あくまでもそのひとつという考え方になっていて、今年などはかなり比較の難しい顔ぶれになっている。この流れは先立って終わった弥生賞にも言えて、6番人気のコスモキュランダが勝ったことでその傾向をはっきりさせていた。

 こうした混戦ムードだけに、この先の可能性があるかどうか、それぞれの馬の見極めが、より重要になってきた。とにかく今年の世代は、暮れのホープフルSで牝馬のレガレイラが勝っていたように、特に牡馬戦線は予断を許さない。

 一方のGII重賞、阪神大賞典もズラリ名馬たちが名を連ねてきた。メジロマックイーン、スペシャルウィーク、ディープインパクト、ゴールドシップなどが思い出されるが、いずれもここを勝って春の天皇賞馬に輝いていた。伝統の長距離戦と呼ばれてきたが、こちらはこれが本流と言っていい。長距離の実績馬がしっかり結果を出しているから、出走馬の多くがそうした馬たちでしめられている。

 従って何回も出てくるケースも多く、ゴールドシップなどは、4歳、5歳、6歳とこのレースを3連覇していた。阪神の3000米だから、前半は落ちついた流れであっても2周目から各馬が動き出しロングスパートのタフなレースになることが多く、後半の脚を持続できるスタミナがあるかどうか、重要なポイントだ。

 こうした観点から、まずスプリングSを考えると、より伸びシロのありそうなコスモブッドレアに目が行く。年明けの京成杯で14頭立ての10番人気をくつがえして3着に入っていた。積極的に戦い2番手からラスト300米あたりまで先頭で粘っていたが、上位2頭の決めてに屈していた。父ゴールドシップ、母父ソングオブウインドとどちらも菊花賞を勝っていて、長距離、晩成、成長力という言葉があてはまる馬だ。そしてもう一頭、2戦2勝のシックスペンスを。キズナ産駒で1ハロン距離が伸びても、レースセンスがあり大丈夫とみた。

 一方の阪神大賞典は、ステイヤーズSやダイヤモンドSとの関連が強く、3000米以上で4戦2勝、2・3着1回ずつというテーオーロイヤルの末脚に期待した。ここ2戦で軌道に乗ってきた。そして今後の長距離の新星として、菊花賞5着の4歳馬サヴォーナに注目したい。レースはしやすく、ポジションが取れれば渋太さが発揮される馬だ。

「いざ出陣 混戦断った 勢いで」



【関連記事】