【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆後方からの進出は難しい

 中京1200米で行われる高松宮記念は、とにかく厄介なGI戦だ。3コーナー手前から下り坂が続き、自然と速いラップになるのだが、だからと言ってあまり後方にいたのでは馬群をさばくのが大変で外を回るロスがともなってしまう。

 総じて逃げ馬は苦戦し、好位につけるかせいぜい中団までにつけて流れに乗っていたい。加えて直線は長く、力のいるコースだから、毎年ゴール前は大混戦になっている。テンからスピードに乗せて走るので枠の内外で明暗を分けたり、ペースが緩むことがないのでスピード能力も求められる。余程の切れる脚があってコース取りに恵まれないと、後方からの進出は難しい。中京コースの実績が生きる一戦であることも付け加えておきたい。

 今年は6年ぶりに香港からビクターザウィナーが参戦する。スタートダッシュが速いのでハナに立つか2番手で先行することも可能な馬だが、前走のG1・センテナリースプリントCは外枠から出て先頭に立ってからはスローペースに落として逃げ切っていた。例年より約1秒は遅いタイムで、2015年に遠征して来て勝利したエアロヴェロシティよりは劣るとみている。同馬は香港スプリントを1分8秒5で逃げ切っていた。そして高松宮記念では、好スタートから他馬を行かせて3番手でスムーズに追走し、小雨振る稍重の中、直線の叩き合いを制し1分8秒5で外国馬初の優勝を飾っていた。これにくらべ今年の香港馬は少し荷が重いとみている。押さえの一頭としておく。

 いくつかある前哨戦から目についたものを取り上げ、そこから中心となるものを見つけたい。馬場が重くなりそうなので、中山の稍重で行なわれたオーシャンSから強い勝ち方をしたトウシンマカオ、2着のビッグシーザーをまず。この2頭では、全12戦全てが6ハロン戦で、中京では2戦2勝のビッグシーザーの方を上位に取り上げたい。父ビッグアーサーは8年前にレコードで勝っていた。

 年明けの2戦から好調であることは間違いない。またトウシンマカオもビッグアーサーの子でスピードはあるが、昨年のこのレースが大敗だったことが気になる。ルメール騎手がどこまで動かせるかに注目したい。馬場の傷みが大きかった京都牝馬Sも、それにしてはいいタイムが出ていた。昨年不良馬場の高松宮記念2着、秋のスプリンターズS3着でこの路線での実力が光っているナムラクレアは、勝負どころで外を回って速い脚でクビ差の2着まで追い上げていた。勝ったソーダズリングより斤量が1キロ重かったので、このひと叩きの効果は大きいと見た。

 あとは、5歳で充実期に入り重賞2連勝のウインマーベルを。阪神の開幕週ながら重で行なわれた阪急杯を勝っている。前後半差2秒0の前傾ラップを4番手で追走して、道悪を克服したのは大きい。中京では6ハロンの葵Sを勝っている。

「かき分けて たどり着いたぞ 頂点に」



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