ダイエットやボディーメイクに特化した、冷凍の宅配食を提供するマッスルデリはコロナ以降、コロナ太り解消のニーズを背景に、提供するサービスの需要が急速に増加している。単身の男性の利用者が増えており、一時的に欠品が生じそうになったこともあったという。マッスルデリのサービスは、ハンドボールの宮﨑大介選手など、有名スポーツ選手も愛用している。「コロナ禍で宅配食市場が急拡大するなか、『ボディーメイクに特化した宅配食がマッスルデリだ』という認知を拡大させたい」と話す西川真梨子社長に、話を聞いた。

筋トレ志向の男性がメインユーザー
――マッスルデリが提供するサービスについて、教えてください。

「マッスルデリ」は、ボディーメイクやダイエットに特化した、サブスクリプション型の食品宅配サービスです。50種類のメニューを用意していて、それぞれL・M・Sの3サイズがあります。当社のECサイトに登録して、自分の目的にあったプランを選んだユーザーに、そのプランに合ったメニューを、月20食お届けします。メニューはすべて管理栄養士が監修しており、高タンパクで豊富な栄養を取り入れたものになっています。1色当たりの料金は、送料込みで1000円前後です。

ユーザーに対しては、プロの栄養士がボディーメイクの相談に乗るサービスも提供しています。気軽にダイエットに取り組めるサービスとして好評をいただいています。2017年にサービス提供をスタートし、現在ではユーザーの6割強が男性となっています。30代のユーザーが最も多く、独り身で筋トレ志向の強いビジネスマンの方の利用が多いです。

――コロナ禍で需要が伸びたということですが。

コロナ禍になる前からユーザーは増加傾向にありましたが、2020年4月以降、急激に会員が増加しています。一時的に欠品になることを心配するほど、新規登録が急増した時期もありました。

もともとは、スポーツの大会に向けてボディーメイクをしたいというユーザーが多かったです。春から夏にかけて、露出が多くなる時期に向け、体型が気になるという理由で利用を開始する人も少なからずいました。

コロナ以降は、「コロナ太り」と「イエナカ需要」の二つの理由で、ユーザー数が伸びていると考えています。テレワークが浸透し、「自宅で食事をする機会が増えた」という人が圧倒的に多いです。人気なのは、ガパオライスや塩こうじ焼きセットといったメニューです。

食品のデリバリーでいうと、ウーバーイーツの認知度が最も高いと思いますが、さまざまな選択肢がある中で、当社のサービスを選んでもらえるよう、認知を拡大していっています。



――宅配食市場の現状をどのように見ていますか?

食品宅配の市場はもともと、高齢者向け弁当の割合が大きかったと思います。ヨシケイやワタミといった企業が有名です。高齢者向け弁当は、ユーザーと配達員が対面でコミュニケーションする訪問販売の形態です。2010年代になり、当社のように、ウェブで展開する、新興の食品宅配の企業が参入し始めました。現在では、当社と同様のビジネス形態でサービスを展開する事業者が10社ほどあります。


西川真梨子社長

シンクタンクの矢野経済研究所によると、食品宅配市場の規模は、2016年の段階で1184億円だったということですが、2021年には33%増の1575億円に拡大すると予想されていました。これはコロナ前の試算ですから、実際はもっと拡大しているのだと認識しています。テレワークの浸透で、宅配食が使われるシーンの幅がさらに広がっているからです。

拡大する市場の中で、当社のサービスは、「ボディーメイク(体づくり)ができる」という点を差別化のポイントとしています。ハンドボールの宮﨑大輔選手やフットボールの中島イシレリ選手、プロバスケットボールチーム「TOKYODIME」の各選手など、プロのスポーツ選手に愛用していただくケースも増えています。

ユーザーには、商品を配送するだけでなく、LINEやZoomを使った情報発信も行っています。LINEでは週2回、栄養の知識や、コンビニ食の選び方などの情報を発信しています。Zoomでは、栄養士によるオンラインセミナーを実施しており、普段の食生活に関する相談を受け付けたりもしています。

フィットネスジムとのコラボレーションも進めています。現在、約50社のフィットネスジムと提携し、マッスルデリのフライヤーを置いてもらったりしています。トレーナーにサービスを勧めてもらったりもしています。

3月には新メニューを投入しました。高タンパクでヘルシーな、ピザやスープ、チーズケーキなどのラインアップを拡充しました。「中食」「冷食」「たんぱく食」「宅配食」など、当社が提供しているサービスジャンル全てにおいて、需要が拡大しています。拡大する市場の中で、今後も確かな存在感を示していきたいと思っています。