ECのコンサル・運営代行大手のいつもは6月2日、M&A仲介最大手の日本M&Aセンターや、そのグループ会社でM&A総合支援プラットフォームを運営するバトンズと協業し、中小D2Cブランドの買収・出資を加速する。いつもは今年4月、数年で200ブランドをM&Aする新事業の計画を発表。今回の協業で計画達成を早めたい考えだ。

いつもは4月1日付で、M&A推進のための専門部署「社長室・ビジネスデベロップメントグループ」を設立した。さらに、意思決定のスピードを上げるため、6月中に子会社「いつもコマース株式会社」を設立する。30億円程度の資金を用意し、200ブランドを買収・出資する計画を立てている。



今回、日本M&Aセンターやバトンズと協業することで、買収案件の募集やデューデリジェンス、契約締結などのM&Aに必要な一連の業務を迅速化する。



いつも 社長室 矢追紘氏は、「EC業界で戦略的にM&Aに取り組んでいる会社はまだまだ少ない。当社のように中小D2CブランドをターゲットにM&Aを進める買い手はまだまだ少なく、多くのブランド様にとって買い手が見つかりにくい現状もある。当社ではこれまでコンサルや運営代行など事業支援を中心に行ってきたが、中小企業をもっと応援したいと考え、M&Aによる経営支援までできる体制を整えている。EC業界の外ではまだまだ当社の知名度も高くない現状もあるので、幅広い業界での実績豊富な日本M&Aセンターさまや、豊富な案件数を有するバトンズさまと組ませていただくことで、当社の取り組みを広めていきたい」と話す。


いつも 社長室 矢追紘氏


いつものECの知見を生かす
日本M&Aセンターは全国に独自のネットワークを構築しており、業界トップクラスの豊富な買収実績を誇る。バトンズはM&A総合支援プラットフォーム「BATONZ(バトンズ)」を運用しており、日本M&Aセンターが扱わない中小企業のM&A案件のマッチングを支援している。

日本M&Aセンター 戦略統括事業部 龍石泰樹氏は、「当社はM&Aのソーシング(案件発掘)のプロとして、EC事業のプロであるいつもさま、プラットフォームのプロであるバトンズと今回のプロジェクトに参画する。株式譲渡の場合、M&A完了まで1〜2年かかってくるが、事業譲渡の場合はその半分のリードタイムで進められる。早ければ1、2カ月間で事業の買収・売却を支援できるケースもあるだろう。当社としてもこのような3社での座組は初めて。新しいM&Aの方法論として注力していきたい」と狙いを語る。


日本M&Aセンター 戦略統括事業部 龍石泰樹氏

バトンズ マーケティング課 伊藤舟氏は、「『BATONZ』を介して買収を行う顧客の7割くらいは個人や個人事業主であり、小規模事業者のプラットフォームとして認識されている。今回の取り組みでいつもさまのような上場企業の買収実績を作っていきたい。さらに、顧客の中にはEC事業への参入に関心を持つ企業も多く、いつもさまと連携することでノウハウを提供することもできると考えている」と期待している。


バトンズ マーケティング課 伊藤舟氏

米国ではセラシオがアマゾンに出店しているブランドのM&Aを行い、自社のノウハウで成長させるビジネスモデルで、ユニコーン企業(時価総額10億㌦以上の未上場企業)に成長している。今年3月には日本法人を設立し、日本での事業展開を本格化している。

いつもはこれまで行ってきたクライアントのEC支援に加え、メーカーのオンライン特約店を作るサービス「ハンロー」や、M&Aによる経営支援のメニューを用意し、多角的にEC展開を図るメーカーを支援する。


M&Aで取り扱いブランドを拡大

日本ならでは商習慣を理解し、「楽天市場」「ヤフーショッピング」など日本ならではのプラットフォームでの販売ノウハウを持っている強みを生かし、セラシオとの差別化を図る。