<累計調達額は62億円に>
EC・D2C支援事業やECプラットフォーム「ecforce」を提供するSUPER STUDIOは6月22日、総額約44億円の資金調達を実施したと発表した。再現性の高いEC運営を実現する「次世代EC構想」を開発推進し、日本のEC化率底上げを目指す。

今回、三井不動産やグローバル・ブレインが共同で運営する31VENTURES、ALL STAR SAAS FUND、きらぼしキャピタル、ネットプロテクションズ、みずほキャピタル、三井住友海上キャピタル、三菱UFJイノベーション・パートナーズなどを引受先とした第三者割当増資を実施した。2021年9月には総額18億円の資金調達を発表しており、累計調達額は約62億円になる。

SUPER STUDIOは2017年にECプラットフォーム「ecforce」をリリースした。D2Cブランドの成長をシステム面からだけではなく、マーケティングや運営面から支援している。支援先の商品ジャンルは、化粧品や健康食品、食品だけに留まらず、アパレルやライフスタイル、ホビーと幅広い。「ecforce」以外にもパーソナライズシステム「1d color」、入力フォーム最適化システム「smart dialog」、チャット型接客ツール「talkmation」などのソリューションを提供している。

SUPER STUDIOが数十もの自社ブランドやクライアントのブランドを立ち上げ・グロースしてきた経験に基づき、コンサルティングや運営支援を行う「ecforce teams」も提供している。多彩なソリューションに加えて、それを駆使して事業成長させるノウハウ・運営の支援体制を備えていることで、EC・D2Cの有力スタートアップや大手企業の新規ビジネス立ち上げの際のパートナーに選ばれる機会が増えている。

2021年のタクシー広告やTVCMの放送を機に、SUPER STUDIOの認知度は向上し、多様な企業からの引き合いが増えたという。この1年間で「ecforce」の導入ショップ数は約174%増加、自社EC運営を通して感じたEC運営の課題感や今後の新しいマーケティング手法をシステムに実装すべく、毎月10〜20件の機能アップデートを行っている。


<「次世代EC構想」とは?>
SUPER STUDIOは、2030年までにEC化率を20%に引き上げることを目指し、EC・D2C事業者が効率的に成長を実現するための「次世代EC構想」を掲げている。2023年の夏までにノーコードでEC事業者が総合的なデータと施策管理ができる状態を実現したい考えだ。ECメーカーの担当者が2人の体制でも年商10億円の事業が運営できる効率的なEC基盤を作る。今回の資金調達により、「次世代EC構想」実現のためのソリューションやサービス開発を加速する。



EC・D2C事業者はあらゆる販売・マーケティングチャネルの管理をしながら事業を運営しているが、現在はデータが統合管理されておらず、ブランド運営のあらゆる工程においてデータドリブンな意思決定が簡単にできない状況だという。SUPER STUDIOがECメーカーの担当者200人以上に行った調査では、担当者の50%が日本のEC化率を伸ばしていくには「ノウハウ不足を解消する必要がある」と回答している。

日本のEC化率向上には正しいノウハウの浸透と、システムによる現場の業務改善が急務となっている。これらの業界課題を改善すべく、SUPER STUDIOでは自社EC運営、システム開発を続けてきた経験を生かして、データを統合管理することでマーケティングからサプライチェーンまでブランド運営における全ての工程にデータを活用した最適なPDCA運用を実現できる「次世代EC構想」の開発を進めている。


▲「次世代EC構想」のイメージ

オフラインとオンラインの販売チャネルごとのデータに加え、販売後の顧客の行動データまで統合管理されており、データを簡単に活用できる環境を整備する。さらに統合管理されたデータを簡単に可視化できるようにする。新規顧客の獲得のための全体最適なマーケティングの実現や、顧客セグメントに対して実施したCRM施策の結果まで定量的に確認でき、最適な改善PDCAを運用できる環境も構築する。ブランド運営していく上で必要となる出荷・決済処理や顧客対応などのあらゆる定常業務を自動化できる仕組みも作る。

SUPER STUDIOが掲げた「次世代EC構想」のイメージ図では、これまで提供していなかった「BI/MAツール」も掲載されいている。EC・D2C事業者のマーケティング活動をより包括的に支援できる体制を整えるため、CRM支援にも本格的に進出する方針のようだ。

さらに「次世代EC構想」の開発・推進の一環として、資金調達のリード投資家である三井不動産と連携し、ECとリアルをつなげるOMOの仕組みを実現する実証実験を行っている。現在、多くのD2C事業者が販路拡大のためにポップアップ店舗の出店をするケースが多いものの、そのデータが正しく取得できていなかったり、データがとれていても、主要販売チャネルであるECとのデータ連携ができていないケースが大半だという。


▲三井不動産との実証実験の概要

SUPER STUDIOは三井不動産が展開する商業施設にて店舗の人流や来店属性を数値化し、商品を購入・もしくは関心が高い消費者をリアルの場で「ecforce」に誘導する仕組みを開発している。今後も実証実験を通して、より連動性の高い仕組みの開発を行う考えだ。