ピンコイは、デザインプロダクトをグローバルな舞台へ導くことをミッションに掲げ、台湾・香港・中国・タイ・韓国・日本などのアジアを中心とした各国のデザイナーと、購入者が繋がることのできる越境EC「Pinkoi」を運営。海外デザイナーによる日本での活躍をサポートするだけでなく、円安により海外からの需要が高まることを見込んで、日本ブランドに向けた販売手数料無料キャンペーンを実施するなど、日本デザイナーの海外進出も支援している。
2022年には日本への入国規制が段階的に解除され、2023年は訪日外国人による旅行消費額の増加に伴い、「メイド・イン・ジャパン」の商品に対する注目も高まってくることが予想できる。同時に、国内市場のシュリンクにも影響を受けながら、海外進出を視野に入れるデザイナーやブランドも徐々に増加傾向にあり、中国への展開に挑む前に台湾や香港でトライアルする動きも多く見られるとしている。
このほど、「Pinkoi」において2022年に高い海外売上を獲得した日本のデザイナーをランキング形式で集計し、日本のデザインについて、2023年以降「求められる要素」や「売れる戦略」を独自に分析し、消耗品よりも長く使いこみたいもの、素材やデザインの繊細さ、丁寧な商品説明と言語対応の3つを挙げた。

▲左上から「Travel Light」(日本)の『2Way本革ショルダーバッグ収納バッグ斜め掛け』、「loosey goosey」(日本)の『黒猫 ロングスカート マキシスカート コットンリネン 生成り』、「temtem」(日本)の「14kgf ケシパールフープピアスクリップ」
「Pinkoi」では、台湾や韓国などのアジアを中心とした地域のデザイン商品を取り扱っていることもあり、文房具やコスメ、食品などが高い売上を獲得している。一方、日本ブランドに限っていえば、高い売上を獲得する傾向にあるのは、消耗品よりも長く大切に使い続けるようなカテゴリーの商品となっている。ファッションアイテムやインテリアはもちろん、特に経年変化(エイジング)を楽しむ革小物などは、その象徴であるといえる。奢侈品が買い控えられる一方で、ROI(費用対効果)の意識が高まるとされる2023年には、手頃で長く使い続けられる日本製品の人気が高まるかもしれないと推察している。

▲左上から「Casualbox」(日本)の『ベビ帽子 天竺 ガーゼ オーガニックコットン ワッチ 新生児1歳 オールシーズン 日本製』、「【wafu】linen clothing」(日本)の『wafu - Double - 亞麻寢具 Special Linen Bed Sh』
また、日本のデザイン商品に求められる要素の最たるものとして「高品質」を挙げた。「Pinkoi」で販売されている日本デザイナーの商品のページには、「商品の品質に感動した」というようなレビューが多く見られる。「高品質」に対する期待の現れとして、既述のように長く使い続けるようなアイテムが選ばれているとも考えられるとしている。
「Pinkoi」では、日本ならではの「カワイイ」商品も人気を集めつつ、2022年の売上ランキングで上位を占めたのはシンプルなデザインが特徴のブランドだった。特にオーガニックコットンやプレミアムリネン、牛革などの天然素材を使用した商品が人気を得ている。このことからも素材やデザインの繊細さで満足感を与えられるような商品が注目されていることが分かるとした。
通販サイトにおける売上獲得には、商品の説明やレビューの充実感が大きく起因していることはいわずもがなだが、海外の顧客を相手にした場合はそれらの重要性は一層高まる。2022年の海外売上ランキングに並んだブランドは、いずれも商品ページの作り込みが見受けられ、外国語での記載も丁寧だ。たとえばインテリア商品を扱う「MUKU工房」は、海外地域をメインに販売しているため、中国語や英語の商品ページが非常に充実している。
「Pinkoi」には自動翻訳機能があり、商品説明やレビューが日本語だけで記入されていても外国の消費者へ商品の魅力を伝えることができる。さらに日本語でのカスタマーサポートも充実しているので、購入者とのやりとりで分からないことや不安なことがあれば仲介者としての対応も可能だ。

「Pinkoi」では、3月31日までの期間、新規出店者の販売手数料が最大3カ月無料になるキャンペーンを実施し、海外進出を目指す日本のデザイナーやブランドを応援している。