東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が9月9日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。今後の新型コロナへの対応について語った。

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

社会を回しながら新型コロナウイルス感染症の治療ができるようになるには

飯田浩司アナウンサー)新型コロナウイルス感染症をインフルエンザのように、社会を回しながら治療するというところに持っていくためには、何が必要になりますか?

尾﨑)インフルエンザの場合は検査キットが各医療機関に豊富にありますし、ワクチンも定期的に打つだけの準備があります。

飯田)インフルエンザの場合は。

尾﨑)薬もタミフルやリレンザなど、いろいろなものができています。新型コロナもそういう状態であれば、仮に罹ったとしても、ワクチンを打って経口薬があれば重症化しにくいだろうと思いますし、不安もなくなります。

インフルエンザ並みの治療には、検査が十分にできる体制、軽症者にも気楽に使える治療薬、本体に有効なワクチンの開発が必要

尾﨑)しかし現状では、検査体制においても抗原検査が足りなくなったり、PCR検査が受けられないなどの問題がまだあります。まずは検査が十分できる体制に持っていかなければいけません。

飯田)検査が受けられる体制が必要。

尾﨑)治療薬も、いまはメルクのラゲブリオやファイザーのパキロビッドなどがありますが、どちらかというと基礎疾患のある重症化リスクの高い人だけに使えるような薬で、インフルエンザの薬のように気軽には使えません。

飯田)新型コロナの治療薬は。

尾﨑)その治療薬のなかに、今後の評価もありますが、塩野義製薬のゾコーバなど、新たな薬がここ1〜2年でできてくるかも知れません。そういうものができて、さらにワクチンもその都度変わる変異株に有効ではないタイプではなく、本体に有効なワクチンができれば、ウイルスが変異しても、ある程度の効果が期待できるのではないかと思います。そういう効果のあるものが今後、1〜2年で揃ってくればインフルエンザ並みの対応になるかも知れません。

新行市佳アナウンサー、尾﨑治夫氏、飯田浩司アナウンサー

現状ではインフルエンザのように一般の診療所や病院で診察することはできない

飯田)1〜2年前と比べて考えれば、少しずつ武器が揃ってきた状況ですが、まだ完全なところまではいっていないということでしょうか?

尾﨑)インフルエンザの場合は待合室を分けなくても、マスクをしていれば他の患者さんにはほぼうつりません。ところがコロナの場合は、そういう状態であっても、同じ空間にいるだけで空気感染してうつります。そういう意味では、完全にインフルエンザのような診療を一般の診療所や病院ですぐにできるかと言うと、できないと思います。「どの病院や診療所でも新型コロナ患者を診た方がいい」と言う政治家の人がいますが、いまの状況ではなかなか難しいです。

マスクは不織布でなければオミクロン株は防げない

飯田)皆さんへのメッセージがありましたら、お願いいたします。

尾﨑)新型コロナウイルスは、まだしばらくは感染が続くと思います。しつこいようですが、マスクは不織布にしてください。ウレタンや布マスクでは、感染力の強いオミクロン株は防げないのです。しかも空気中を漂って入ってきますから、隙間のないように不織布マスクを着けることが大事です。

アルコール消毒よりも換気が重要

尾﨑)ウイルスは空気中を漂っていますから、アルコールで消毒するよりも大事なことは換気です。常に空気の流れがどうなっているのかを確認する。お店に行くときも「そのお店は換気しているかどうか」をいちばんのポイントに感染予防を考えてください。そして、若い方の3回目のワクチン接種や、高齢者・医療従事者・介護従事者、できればエッセンシャルワーカーの方は4回目のワクチンを打つことが最も大切だと思います。