【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1117回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画・ドラマを発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

見応えある注目作がひしめき合う、2023年のゴールデンウィーク映画。そのなかから今回は『銀河鉄道の父』と、劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』をご紹介します。

『銀河鉄道の父』

映画館で観たい!『銀河鉄道の父』 〜天才・宮沢賢治を支えた家族の愛

独創的な世界観が魅力的な詩や童話を生み出し、いまなお多くの人に愛されている宮沢賢治。詩人、童話作家、教師、科学者、宗教家など多彩な顔を持つ一方で、農民の生活向上を目指して農業技術の指導を行うなど、その活動は多岐にわたりました。

しかし生前の彼は、実は無名の作家。類い稀なる才能が見出されないまま、37歳という若さで亡くなったことをご存知でしょうか。

本作は、そんな宮沢賢治に無償の愛を注いだ宮沢家の人々の物語。第158回直木賞を受賞した門井慶喜の同名小説を原作に、究極の親子愛を描いた感動作です。

『銀河鉄道の父』

『銀河鉄道の父』のあらすじ

質屋を営む宮沢政次郎の長男として生まれ、跡取りとして大切に育てられた賢治。ところが本人は、家業を継ぎたがらず、農業や人造宝石に夢中となり、両親を振り回す始末。

挙句には、宗教に傾倒すると、東京へ家出。だが、政次郎はどうしようもなく不出来な息子に激昂しながらも、ついつい甘やかしてしまうのだった。

そんななか、賢治のいちばんの理解者である妹・トシが結核に倒れる。トシを励ますために、一心不乱に物語を書き、読み聞かせる賢治。しかし願いはむなしく、トシは息を引き取ってしまう。

打ちひしがれる賢治に、政次郎は物語を書き続けるよう促すが……。

『銀河鉄道の父』

『銀河鉄道の父』のみどころ

宮沢賢治の父・政次郎に扮するのは、役所広司。厳格な父親であろうとするも、息子への愛情が抑えきれない。やがては賢治が紡ぐ物語のいちばんのファンになっていく様子を、大らかに演じています。

そして宮沢賢治を演じたのは、菅田将暉。自分が進むべき道を模索する青年像を、繊細かつ無邪気に体現。本作が初共演となる2人が繰り広げる“親子”のやり取りは実に痛快で、思わず笑みがこぼれてしまうことも。

共演には森七菜、田中泯、坂井真紀、豊田裕大など、実力派キャストが集結。時代が移り変わろうとも色褪せることのない、家族の物語が繰り広げられます。

『銀河鉄道の父』

後に国民的作家となる宮沢賢治の生涯を、父の目線から活写した本作。何があっても信じ合い、互いに味方であり続ける家族の姿には、きっと心を揺さぶられる人も多いはず。

2023年は、宮沢賢治の没後90年にあたる年。いま一度、彼と、彼の家族の人生に触れてみませんか?

劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』

コチラも映画館で観たい! 劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』 〜本格医療ドラマが待望のスクリーンへ……

オペ室を搭載した大型車両=ERカーで、事故や災害現場に駆け付ける、都知事直轄の救命救急医療チーム「TOKYO MER」。彼らの活躍を描いた本格医療ドラマ『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』が、待望の劇場版となりました。

今作では、厚生労働大臣が新設した冷徹なエリート集団「YOKOHAMA MER」が登場。横浜で起こった爆発事故現場で、自らの危険を顧みずに行動する「TOKYO MER」と意見が衝突。地上70階に取り残された193名の命を救うべく、真っ向から対立します。

手に汗握る展開の連続に、ハラハラドキドキが止まらない。“1人も死者を出さないこと”を信条に、どんな苦境にも勇猛果敢に突き進んでいく医療従事者たち。その勇姿は是非、スクリーンで。

『銀河鉄道の父』

『銀河鉄道の父』

2023年5月5日(金・祝)から全国ロードショー
出演:役所広司、菅田将暉、森七菜、豊田裕大、池谷のぶえ、水澤紳吾、益岡徹、坂井真紀、田中泯

監督:成島出
原作:門井慶喜「銀河鉄道の父」(講談社文庫)
主題歌:いきものがかり「STAR」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
脚本:坂口理子
音楽:海田庄吾
製作:木下グループ
制作プロダクション:キノフィルムズ/ツインズジャパン
配給:キノフィルムズ
(C)2022「銀河鉄道の父」製作委員会

劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』

劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』

全国東宝系にて公開中
出演:鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ、要潤、小手伸也、佐野勇斗、ジェシー(SixTONES)、フォンチー、菜々緒、杏、徳重聡、古川雄大、渡辺真起子、橋本さとし、鶴見辰吾、仲里依紗、石田ゆり子

監督:松木彩
脚本:黒岩勉
企画・プロデュース:高橋正尚
プロデューサー:八木亜未、辻本珠子
音楽:羽岡佳、斎木達彦、櫻井美希
テーマソング:平井大「Symphony」
配給:東宝
(C)2023劇場版『TOKYO MER』製作委員会

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/