津田塾大学教授で哲学者の萱野稔人氏が9月12日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、辛坊と宗教やカルトなどについて対談。この中で辛坊は、宗教法人には「自由の付与」と「課税」を行うべきではと持論を展開した。

文化庁HP「宗教法人とは」より https://www.bunka.go.jp/seisaku/shukyohojin/gaiyo.html

辛坊)「反カルト(セクト)法」があるフランスはベースが正統派のキリスト教の国だから、カルトというのが分かりやすく存在するのだと思います。これに対し、日本では正統派の宗教というものが曖昧なまま、カルトを明確に分類することができるのだろうかという疑問を私は持っています。

萱野)何が正当な宗教で、何が異端の宗教か−。この話は難しいですね。たとえ異端だとしても、やはり信教の自由があるわけですから。そこで、私は中身ではなく手段に注目すべきだと考えています。手段というのは例えば、勧誘の仕方です。洗脳するために何日も何日も周囲の人と連絡を絶たせて孤立させるとか、寝させず食べさせず教義をたたき込んでいくような行為ですね。

人は弱いですから、死後の世界を信じたり、自分の大事な人が亡くなったら、あの世でどうしているか心配になったりします。ですから、そういった心理に過度につけ込んで、許容以上の財産を献金させるとか、日常生活の中に入ってきて無理矢理に勧誘するとか、そういう手段に着目すべきだと思っています。

辛坊)これから話すことは、宗教を信じている人たちを敵に回すことになるかもしれません。私は「そもそも論」として、宗教法人1つ1つを国が認定する必要性はないんじゃないかと思っています。宗教法人名の変更も国が監督する必要はないんじゃないかと。もっと自由でいいんじゃないかと思うんですよ。その代わり、宗教法人は現在、宗教活動に関して課税されませんが、他の法人と同じように稼いでいるのだから税金を払ってくれればいいと考えています。

萱野)今のお話に付け加えるとすれば、適正な宗教活動のルールを定める必要もあると思います。弱い心につけこんで高額な壺を売るとか、家族関係が破綻するまで献金させるとか、そういったやり方に関してはやはりルールをはめるべきだと考えています。これは、宗教法人以外の法人があらゆるルールの下で成り立っているのと同様に、宗教法人にもルールを定める必要があります。

旧統一教会に関して言えば、そうした手段の部分での違反をもっと厳しく問う必要があると考えます。最終的には、宗教法人法に基づいた法人解散もあり得る話だと思うんですよ。

辛坊)フランスは憲法の枠組みが日本とは違います。フランスのような憲法の枠組みの中でできることと、日本における憲法の枠組みの中でできることを考えたとき、圧倒的に日本は法律で縛れる範囲は緩いです。

萱野)今の宗教法人法の範囲ですら、文化庁が適切な対応を本当にしているのかという疑問は残ります。今の憲法下でもできることがもっとあるんじゃないかと、私は思いますね。