【新華社昆明4月14日】中国雲南省西双版納(シーサンパンナ)ダイ族自治州では2024年、68万人を超える旅行者や短期滞在者を受け入れた。人々が同地にやって来る理由は、温暖な気候や魅力的な自然風景はもちろんだが、古くから伝わる治療法「ダイ医学の睡薬療法」の存在も大きい。ダイ語で「ノーン・ヤー」と呼ばれるこの伝統的な薬材を使った睡眠療法は現在、シーサンパンナのウェルネスツーリズムの「新たな人気観光資源」となっている。
同自治州景洪市にあるシーサンパンナ州ダイ医医院にある睡薬室の中には、濃厚な薬の香りが漂っており、睡薬療法を受ける人々が、温かいダイ薬が敷き詰められたベッドに横たわり、全身をダイ薬で包まれていた。ホールの休憩エリアでは、療法を終えた人々が大きなタオルにくるまり、病院が用意した温かい飲み物を飲み、大量の汗をかいている様子が見られた。
睡薬療法を終えたばかりの徐(じょ)さんは「温かい薬材が全身を包み、ひと眠りするとすっきりして爽やかな気分になった」と話し、睡薬療法は心身をリラックスさせるだけでなく、不眠症の治療にも役立っていると語った。睡薬療法を受けに来る旅行者や短期滞在者の多くは、過ごしやすい気候や快適な居住環境を求めて北方から来る「渡り鳥高齢者」と呼ばれる人々で、徐さんも元々黒竜江省在住だが、退職後2カ月にわたってシーサンパンナに滞在している。
ダイ医医院ダイ薬製剤センターの趙応紅(ちょう・おうこう)主任は、ダイ医学はダイ族の人々が長年の生産や生活、疾病予防・治療の実践の中で絶えず探求、実践、改良、蓄積してきた伝統医学だと紹介した。
睡薬療法には温眠と冷眠があり、ダイ医学の特徴的な外部治療法の一つとされる。趙さんの説明によると、睡薬療法では、調合した処方薬を浸漬や蒸製などの工程を経て処理した後、専用のベッドに平らに広げ、特製の薬酒と混ぜ、適温になったら薬の半分を敷き詰め、患者をその上に横たわらせる。その後、残りの半分の薬で患者の全身(頭と顔以外)を包み、その上から気体不透過性のある不織布を巻き、寝具で覆って保温する。1回の治療時間は約30分間。睡薬には、汗腺を開き、体内の気血の巡りを良くし、余計な水分や毒素を除去し、痛みを和らげる効能があるとされ、リウマチや産後の病気・不調、手足や関節の痛みなどの治療に用いられる。
睡薬療法以外にも、薬をすり込む拖擦療法、燻蒸(くんじょう)療法、綿棒や針を使う刺薬療法など、ダイ医薬には幾つもの特徴的な療法がある。ダイ医薬はここ数年、関連政策の支援を受け、伝承と発展により良い条件が整ってきた。11年には睡薬療法が第3次国家級無形文化遺産の代表的項目に登録された。17年には、ダイ医薬の人材育成に特化した滇西応用技術大学ダイ医薬学院がシーサンパンナに設立されて学生の募集が始まり、22年にはダイ医薬療法が医療保険給付の対象に加えられた。
民族医薬の体験は病院内にとどまらず、市場でも行われている。ダイ医医院でこのほど開催された中・ダイ医薬文化広報週間イベントでは、早朝から病院の入り口に設けられたダイ医学療法の展示ブース前に、旅行者や短期滞在者の長い列ができた。ダイ医による脈診相談エリアで診察を受け、医師の指示に従って適切な療法を選択できるようになっていたほか、会場には養生茶や養生スイーツ、ダイ薬の文化クリエーティブ製品、中・ダイ薬材の見分け方など、さまざまな特色ある体験コーナーが用意されていた。
雲南師範大学法学・社会学学院の曲凱音(きょく・がいおん)教授は「伝統医学は現代のウェルネスツーリズムと融合しつつある」と述べ、シーサンパンナは医療、気候、文化という三重の優位性を生かして、従来の渡り鳥式短期滞在とは異なる深い体験モデルを構築しているとの見方を示した。(記者/趙彩琳、王賢思)


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