<インタビューに誘った相手プレイヤー「ココ」とは家族ぐるみの付き合いだった>

昨年に引き続き、9月8日に閉会した今年の全米オープンテニスにも涙の一幕があった。世界ランキング1位の大坂なおみが3回戦で15歳の新星コリ・ガウフをストレートで破った後、泣きじゃくるガウフを促して一緒にインタビューを受けたのだ。互いをたたえ合う2人の姿は世界から称賛を集めたが、大坂が妹のように気遣ったガウフとは一体どんな選手なのか。

「ココ」の愛称で親しまれるガウフは、今年のウィンブルドン選手権に彗星のごとく登場したアメリカ人選手だ。同大会に世界ランク301位ながら主催者推薦枠で出場し予選を突破すると、なんと本戦の初戦で元王者ビーナス・ウィリアムズにストレートで勝利。続く2、3回戦も見事に突破してベスト16入りを果たし、4回戦で敗れたもののグランドスラム(4大大会シングルス)デビュー戦で「ココ旋風」を巻き起こした。

大坂はガウフをインタビューに誘った理由について、「悲しみに暮れたままコートを去るのではなく」、観客に「胸を張って」直接語り掛けたほうがいいと思った、とワシントン・ポスト紙に語った。

この日、昨年の全米覇者である大坂に挑むガウフは、ニューヨークの会場で注目を一身に浴びていた。

そんな2人には共通点がある。ジョージア州アトランタ出身のガウフは、テニスの道に進むため家族でフロリダ州に移り住み、大学時代にバスケ選手だった父親によるコーチの下、ジュニアの部で躍進した。現在21歳の大坂も、同じくフロリダでテニス経験のない父親から指導を受けた。2人は打ち合いをしたこともあり、父親同士はよく話をする旧知の仲だという。

前回の全米決勝で王者セリーナ・ウィリアムズを破って初優勝した大坂は、優勝インタビューでつらい涙を流した。主審の判定に激高したウィリアムズがペナルティーを受けたことで、観客がブーイングを送ったからだ。自分と同じように家族ぐるみで大舞台に上り詰めたガウフを、涙ではなく拍手で送り出したかったのだろう。

<本誌2019年9月17日号掲載>

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ニューズウィーク日本版編集部