2017年版の防衛白書が8日に閣議報告された。北朝鮮の弾道ミサイル運用能力の一層の向上を「新たな段階の脅威」と深刻に受け止め、中国の公表国防費が10年間で約3倍になるなど「不透明な軍事」に警鐘を鳴らす。

 ただ今回の白書が新たに章を設けて強調したのは「人的基盤と女性隊員の活躍」。巻頭カラー特集でも20ページにわたり、女性自衛官の実例やワーク・ライフ・バランスの取り組みなどを紹介する。

 企業の人手確保の問題と同様、自衛官募集も「厳しさが増している」と防衛省幹部。もともと17年3月末の段階で、予算上の定員に対する充足率は90・8%。兵卒にあたる「士」は69・5%しかいない。

 日本の安全保障の最大の危機は、自衛官がさらに不足する事態ではないか。周辺国の武力強化に対抗して潜水艦や哨戒機を増やしても、運用できなければ“張り子の虎”だ。

 陸上自衛隊の日報問題で稲田朋美防衛相と事務次官が辞任し、閣議報告の日程も延期になった防衛白書。新次官に就任した豊田硬さんは「失われた信頼回復に努める」と苦渋の表情であいさつした。新たな人材を引きつけるためにも、幹部への信頼は欠かせない。何を誤ったのか、次の白書で分析してもらいたい。

【ファシリテーターのコメント】
前大臣はワーク・ライフ・バランスで「まつエク」?
明 豊