TRASTA(トラスタ、東京都渋谷区、木地貴雄最高経営責任者〈CEO〉、03・6427・2400)は利用者が今の気分に合った画像を3枚選ぶと、最適な旅行プランが提案されるスマートフォンアプリケーションの提供を3月末にも始める。旅先や宿、交通手段、旅先での遊び方を73万通りのプランから提案し、予約も一括で受け付ける。旅行には行きたいが、具体的な旅先などが決まっていない人の需要を狙う。1年以内に月2000件の予約を獲得できる体制を目指す。

 新アプリは「intrip(イントリップ)」。出発地や旅行に行く季節、一人旅か友人との旅行かといった旅行形態を選択した上で、風景やポートレートなど42枚の画像から今の気分に合った画像を3枚選ぶと1泊2日か2泊3日の国内旅行プランを提案する。各画像には「癒やし」や「アクティブ」「和風」などの特性情報がひもづいており、それらを掛け合わせて利用者に最適な旅行プランを自動で三つを導き出す。

 各プランにおける旅先での遊び方などは複数提案し、利用者はその中から選んで日程を構成できる。トラスタは予約が成立すると旅行プランの金額に応じて10―20%の手数料を利用者からもらい受ける。

 新アプリは、利用者が今は知らないが、行きたいと思える新しい旅先との出会いを提案することが価値になると判断し、開発した。トラスタSTAY CYCLE部の岩本佑太部長は「今のオンライン旅行予約サービスの多くは旅先のことなどを知っていて言語化できないと、旅行プランにたどり着けない。例えば利用者が『ゆっくりしたい』と考えて『温泉』をイメージすれば、『温泉』を検索する。ゆっくりできる旅先は『森林浴』など他にもあるが、それを言語化できないと出会えない。そこで利用者の気分などに合った画像を選んでもらうことで、旅行者の潜在需要に応えるプランを提案できると考えた」と説明する。


 旅行市場はベンチャー企業の参入が相次ぐ。Hotspring(東京都渋谷区)は対話アプリ「LINE」を活用し、利用者とチャット形式で対話しながら最適な国内旅行プランを提案する「ズボラ旅」の提供を2018年5月に始めた。バンク(同渋谷区)は同6月から代金あと払い専用の旅行申し込みアプリ「トラベルナウ」を展開する。

 オンライン旅行予約は楽天の「楽天トラベル」とリクルートライフスタイルの「じゃらんnet」が2強を占め、海外勢の台頭も著しく競争が激化している。ベンチャー企業はその市場を生き抜くため、既存の市場にない新しい価値を提供するサービスで挑んでいる。トラスタも目的地が具体的に決まっていない旅行者の需要の喚起し、自ら摘み取る戦略だ。

 トラスタはホテルの企画開発や運営を手がけるベンチャー。顧客にとってより良い宿泊体験を提供するためには顧客の旅行日程全体を理解すべきだと考え、旅行ビジネスに参入したという。

【ファシリテーターのコメント】
旅行ビジネスに参入するベンチャーが相次いでいます。国内旅行市場は長期減少傾向(リクルートライフスタイルの調査によると、1年間に国内宿泊旅行に行った人の割合は過去10年で8%以上減り、17年度には55.6%に)にある中で、ベンチャーの新しい発想が市場を活性化させるか注目されます。
葭本 隆太