パナソニックは、コンセントに接続して使う通信方式のアダプターを2018年春に再投入する。06年から自社ブランドの商品を住宅向けに販売していたが、無線LANの普及を受けて導入が進まず、11年から技術供与にとどめていた。ただ近年はIoT(モノのインターネット)の登場に伴い、あらゆる設備をネットワーク化する動きが工場などで活発化し、同方式のアダプターの需要が膨らんでいる。自社ブランド商品を再投入し市場を深耕する。

 パナソニックが投入するアダプターは、電気配線を使いデジタル信号をアナログに変換して通信する「高速電力線通信(HD―PLC)」を採用する。カメラで撮影した動画や産業機器の通信規格に対応したアダプターを開発する。工場に加え、ビルエネルギー管理システム(BEMS)分野で需要を見込む。

 HD―PLCは有線LANの煩雑な配線工事が不要なほか、無線LANのように他の通信と混信する恐れがない。既存の設備をIoTに対応させる際に手間と費用を抑えられる。自社の監視カメラなど、IoT関連商材との相乗効果も見込める。

 HD―PLCは10年以降、国際標準化が進んだことや広い空間を通信する技術が確立されたことで、工場などでも使えるようになった。毎秒1フレーム程度なら、カメラの映像も送れる通信速度がある。

 カメラや温度計などをネットワークに接続すれば、工場やビルの設備の無駄な動きや、機械が故障する予兆を特定するためのデータを大量に得られる。ただ、通信網整備などに費用がかかるという課題があった。

【ファシリテーターのコメント】
パナソニック主導で普及を進めてきたHD―PLCで産業用途の需要を見込む。


明 豊