東洋紡は21日、欧州にエアバッグ用基布の生産拠点を設けると発表した。エアバッグ用原糸を手がける合弁会社の独PHPがオーベルンブルク工場(バイエルン州)内に織機47台を導入し、基布生産設備を新設する。生産開始は2019年を予定。これにより東洋紡の基布生産は日本、タイ、中国、米国にドイツを加えた世界5拠点体制となる。投資額は非公表だが、数億円程度とみられる。

 PHPが東洋紡の基布製造技術を導入する。従来、両社は東洋紡が基布、PHPがエアバッグ用原糸を生産する体制を採ってきた。だが欧州地域ではPHPのブランド力が高いことから、同地域のエアバッグ工場向けにPHPが基布生産を行うことにした。



【ファシリテーターのコメント】
東洋紡のエアバッグ関連事業のグローバルな拡大基調が着実に進んでいます。しかも、PHPの前身である旧アクゾは、東洋紡がエアバッグ事業へ参入する契機になったメーカーです。今や東洋紡はタイのインドラマグループとともにPHPを傘下に収めていますが、20数年前に旧アクゾが保持するエアバッグ向けナイロン66に関する特許をベースに、エアバッグ向け原糸と基布生産に参入しています。そして、短期間で国内有数のエアバッグ基布生産メーカーの地位を確立しました。今度は、その東洋紡がPHPへエアバッグ基布生産に関するノウハウを提供するわけです。さて、東洋紡とPHPを合わせたナイロン66の生産能力は約5万トン/年。インヴィスタに次ぐ世界第二位です。タカタ問題を契機にエアバッグの規制強化が指摘されるなか、両社の連携次第ではエアバッグ向けナイロン66と基布生産において世界をリードする可能性があります。
峯岸 研一