花王やポーラ・オルビスホールディングスなど大手化粧品メーカーが、敏感肌向け化粧品を強化している。大気汚染やストレスなどを背景とした肌トラブルへの関心が高まるなかで、大手メーカーはスキンケア市場で敏感肌を訴求した医薬部外品の化粧品に力を入れる。敏感肌は“ニッチな市場”との印象が強かったが、注目市場として積極的に商品を拡充する動きが出ている。

 花王は5年ぶりに乾燥性敏感肌「キュレル」ブランドから新シリーズを投入する。ポーラ・オルビスホールディングス子会社のDECENCIA(東京都品川区)も「ディセンシア」ブランドから、敏感肌用の美容液を10月2日に発売。

 コーセーは、2017年2月に立ち上げた低刺激性スキンケアブランド「カルテ クリニティ」で、肌あれ・乾燥を防ぐ低刺激性保湿クリームを8月に投入した。

 近年は大気汚染や花粉の飛散といった外部環境からの刺激に加え、職場や日常生活のストレスなどもあり、肌荒れなどを起こすラブルが目立つという。富士経済(東京都中央区)東京マーケティング本部第二部の山住知之課長によると、化粧品市場で「トラブル肌や疾患肌でない人の需要を取り込む動きもみられる」と指摘する。

 各社の新商品に目を向けると、機能性の向上が目立つ。花王の新シリーズは、乾燥による小じわやハリに対応する「エイジングケアシリーズ」に特化した化粧水とクリーム。セラミド成分の働きを補い、肌に潤いを与え加齢による小じわやハリのなさを目立たなくすることを狙った。

 DECENCIAの新商品「ディセンシー エッセンス」も敏感肌に不足しているとされるセラミドを補給。加齢による肌の変化や美白、保湿に1本で対応する。いずれも医薬部外品で無着色、アルコールフリーとし、皮膚への刺激やアレルギーに配慮した。

 敏感肌向け化粧品の規模自体は、顔の手入れ全体の1割しかない小さな市場とされる。最近は、特に敏感肌をうたっていなくてもオーガニックや自然派化粧品といった、肌に優しいイメージを訴求するブランドや新商品の参入も目立つ。
(文=山下絵梨)

【ファシリテーターのコメント】
花王ビューティケアスキンケア・ヘルスケア事業ユニットキュレルグループの竹島雅彦ブランドマネジャーは「化粧品と薬の境界領域に我々の立ち位置がある」とし医薬部外品としての機能性の強みを前面に出す。秋から各社の商品展開が熱を帯びてきそうだ。
(日刊工業新聞第ニ産業部・山下絵梨)
日刊工業新聞 記者