世界最大の自動車市場の中国で、日系メーカーによる電気自動車(EV)投入の動きが本格化する。日産自動車は中国がEVの最大市場になるとみて、2018―19年に新型「リーフ」を初投入するほか、複数車種をそろえる。ホンダは18年に中国専用車を二つのブランドから発売する。中国では政府がガソリン車の生産・販売禁止の検討に入っており、商品展開を加速させる。

 日産は17年10月から順次、日本と欧米で発売するリーフを、18年以降に中国にも投入する計画。19年には、仏ルノー、東風汽車集団と共同で新小型EVの生産も始める。今後は「B、C、Dセグメントも含めて、18―19年に中国に受け入れられやすい商品を展開」(西川広人日産社長)し、市場を深耕する。

 ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社連合は22年に、全世界の年間販売目標1400万台のうち3割をEVなど電動車両にする計画。ルノー・日産・三菱自連合のカルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者は「中国はEVで最大市場になる」と見通す。

 EVは新規で全世界で12車種投入する予定。3社でEV用の共通車台や共通部品を活用する。また、三菱自のプラグインハイブリッド車(PHV)用システムを日産とルノーのC/Dセグメント車種に採用する。EVの中核部品であるバッテリーのコストは16年比3割削減を目指す。

 ホンダは現地合弁会社の広汽ホンダと東風ホンダの2社と共同でEVを開発し、各合弁会社のブランドで販売する。また現地IT大手のニューソフトとも提携し、電池の効率的な活用技術や車両データ管理システムの開発にも着手する。

 トヨタ自動車は19年にも現地でEVの量産を始める方向で検討している。SUV「C―HR」ベースの車両が有力候補とみられる。

 中国政府は、将来のガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する検討に入ったもよう。また、早ければ18年にもEVなど電動車の一定台数の生産・販売をメーカーに義務付ける規制を導入する見通しだ。

 これに伴い、独フォルクスワーゲン(VW)と米フォード・モーター、米テスラは中国EV市場の成長を見据えて布石を打ち始めた。さらに中国・BYDなどの地場メーカーが低価格を強みに販売台数を積み増している。

 日系メーカーにとってはブランドの訴求とともに、ニーズに応じた機能をどう盛り込んでいくかが、海外勢を含めた現地での競争を勝ち抜くためのカギとなりそうだ。

【ファシリテーターのコメント】
記事は各社の表層的な取り組みを横並びで淡々を書いているが、危機感の温度差や具体的な戦略の違いが伝わってこない。中国政府はEV化によって、自動車分野における地場メーカーや関連産業の優位性を高めゲームチェンジを狙っている。従来の延長線上にビジネスはない。
その中で日本の自動車メーカーは中国戦略の意思決定のプロセスをどう変えていくのか。各企業によっても違うだろう。トップが決めても現場はなかなか動かないし、動かせないこともある。「商品展開の加速」をあらゆる角度から深掘りする内容を。
明 豊