成田国際空港(NAA)が20日に開港40周年を迎える。日本の空の玄関口として国際線を中心に日本の航空需要の増加に対応、航空機発着回数は2017年度に初めて年25万回を超えた。現在、3本目の滑走路新設などにより発着枠を年50万回に拡大する機能強化計画が進行中で、さらなる成長が期待される。一方、経済発展の続くアジア各国の空港との競争も激化しそうだ。NAAの夏目誠社長に次の10年に向けた事業の方向性などを聞いた。◇  ◇

 ―滑走路新設や夜間飛行制限緩和など成田空港の機能強化について、千葉県、成田周辺9市町、国、NAAで組織する4者協議会が3月に合意し、計画を具体化する作業が始まりました。
 「成田空港の機能強化により、羽田空港と合わせた首都圏全体の発着枠は世界最高水準の年100万回となる。生産年齢人口が減少する日本にとって、訪日外国人などの交流人口を増やすことは今後の経済発展のカギになる。開港40年の節目の年に、20年後、30年後を形作る成田空港の将来ビジョンについて、地元の理解が得られたことは、本当に記念すべき事柄だ」

 ―中国や韓国、台湾などアジアの国際空港も大規模な機能強化を進めています。
 「今後、世界の航空市場の成長をけん引していくのはアジアだ。アジアの各空港は航空路線を集約したいと考える訳で、空港間の路線獲得競争は激化する。そこは成田空港も負けずに路線の拡大を図る。一方、成田空港がアジア方面のネットワークを拡大するチャンスでもある。空港間の連携を強化して、相互に戦略やノウハウを共有し、路線誘致や観光促進で協力することが極めて有効だと思う」

 ―アジアの他の空港では、年間旅客数1億人を目指すような大規模な機能強化を進める空港もあります。
 「成田空港は機能強化で年間旅客数7500万人を目指すが、我々はそれで終わりとは思っていない。さらにその先を見据えて事業を進めていく」

 ―空港の規模拡大で将来は労働力確保が課題になりそうです。
 「保安検査業務や空港地上支援業務、空港内店舗など労働集約型の事業所ではすでに喫緊の課題だ。そこで、空港内保育施設を整備するなどの勤務環境の改善、各種手続きの自動化による業務効率化などを進めている。今後はロボットやICTなどの先端技術の導入を進め、限られた人的リソースをより高度なサービスに振り向けることで、空港の利便性向上と需要増に対応していきたい」

【ファシリテーターのコメント】
成田空港には現在約4万3000人が勤務し、機能強化により7万人程度まで拡大すると推測されている。夏目社長は「空港は巨大な資産を運用する設備・装置産業であり、それを生かすも殺すも最後は人である」として、ロボットなどの先端技術の導入を推進しつつも、人材育成の重要性を強調している。今後激化するアジアでの空港間競争に勝ち抜くためには、人材の育成がキーポイントになりそうだ。
(日刊工業新聞社千葉支局・陶山陽久)
日刊工業新聞 記者