富士通エフサス(東京都品川区、浜場正明社長、03・5747・9100)は拡張現実(AR)・仮想現実(VR)技術を活用して、IT機器の保守サポートのプロセス改革に乗り出す。第1弾として、実機なしのVR環境で立体視しながら保守の手順を学べる研修プログラムを開発し、カスタマー技術者(CE)教育で活用を始めた。さらにヘッドマウントディスプレー(HMD)を装着した現場作業者と、遠隔地にいる熟練者がARで情報共有し、効率よく現場作業を進められるシステムも実用化した。

 VRによる研修は富士通製のUNIXサーバーとメインフレーム(大型汎用機)を対象とする。富士通が「仮想大部屋」方式でUNIXサーバーを設計した際に、富士通エフサスも参加し、保守しやすい設計づくりに協力した。そこで得たノウハウと3次元CADデータを活用し、CE向けの保守教育に適用した。

 基幹系の製品はそもそも故障がほとんどなく「保守のスキルを磨く機会が少ない」(富士通エフサス)のが実情。VRであれば実機では難しいトラブルを再現することが可能。交換手順などをVR画面上で何度も復習することでスキル維持にも役立つ。加えて、実機での研修に比べ、出張費や時間を削減できる。

 首都圏などでの実証を踏まえ、18年度内に全国展開する予定。VRを活用した教育の受講者はUNIXサーバーとメインフレームを合わせ、延べ400人を見込む。

 ARを活用した保守サポートは業務用プリンターで先駆ける。富士通製のカメラ付きHMDをCEに装着させ、現場の映像を遠隔のサポートと共有できるようにする。サポート側で映像にマーキングすると、現場のディスプレーに表示される機能などもあり、電話だけでは分かりにくい細かい指示が可能になる。印字サンプルや機械的な動きを伴う障害なども現場とサポート側で共有できる。

【ファシリテーターのコメント】
保守拠点はパートナーを含め全国に850拠点あり、順次適用していく。HMDは1000台程度を配備する予定。成果をみて、プリンター以外への適用も検討する。
日刊工業新聞 記者